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武田テバ 全国6支店300人体制で約800品目の製品を販売

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2016年10月18日 PM03:30

10月1日付でテバ製薬から社名変更

武田薬品工業株式会社と後発薬世界トップのテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ(イスラエル)の合弁企業であるテバ製薬は10月1日、武田テバファーマ株式会社に社名を変更。同月7日に記者会見を行った。同社最高経営責任者兼社長の松森浩士氏は「武田薬品が確立してきたブランド力で力強いスタートを切ることができる。流通面では武田薬品の特約店流通への一本化を図ることができたことは、適正在庫と安定供給の面からも極めて重要な意味を持つ」との抱負を述べた。同時に松森氏は「2020年以降、統廃合が進むチャンスを的確にとらえて、さらに後発品市場でのマーケットシェアを拡大し、オフパテントドラック市場でのNo.1シェアを獲得したい」とオフ・パテント・ドラッグ(特許失効後の長期収載医薬品と後発医薬品:OPD)市場で同社が再編の核になることにも強い意欲を示した。


10月1日付でウェブサイトもリニューアル

同社は武田薬品からの出向MR約60人も含め300人体制で、約800品目の製品を全国6つの支店を通じて販売する。

会見で松森氏は従来のテバ製薬が広域卸と旧大洋薬品時代の販社からなる流通ルートを抱えてきたことについて「在庫管理の観点からは多くのデポに製品を置いて管理していかねばならないことに加え、後発品メーカーの宿命として多品目を抱える複雑さもあり、そこには無駄もあった」と評価。今回の武田薬品流通網への一本化により自社の在庫負担が減り、適正在庫と安定供給の改善が図れるとし、「さらに武田薬品の優れた特約店との関係を継承できることは極めて重要なセリングエンジンとなる」との見解を示した。

また、今後同社が長期収載品を他社から引き受ける可能性にも言及。長期収載品が蓄積してきた有効性と安全性のデータを守っていくことは同社の極めて重要な責務であると指摘し、「これから地域包括ケアが進展していく中で、当社が数多くの品目を備え、信頼も獲得したワンストップショップ化することで、取引を持つ特約店にもメリットを提供できる」と強調した。

既存品の中で安定供給に不安がある製品については発売中止の措置も

松森氏は旧大洋薬品をテバが買収し、テバ製薬になって以降、製造工程の改善や一部製品の発売中止のほか、サプライチェーンマネジメント部門、本社や高山工場の品質部門で新薬メーカーでの経験者などを管理職として新規採用するなどの改革を行ってきたことを説明。自身も4月の社長就任以来、その業務の大半を既存製品の安定供給体制の再確認と確立に投じ、既存品の中で安定供給に不安がある製品について改めてレビューして製造工程の改善で対応可能なもの、第三者への製造医薬が可能なもの、発売中止にすべきものに分けて検討を進めてきた。そのうえで一部製品に関しては「十分な期間を設けたうえで、来年から再来年にかけて発売中止の措置を取ることになる」ことを明らかにした。

一方、武田薬品は旧大洋薬品時代に抗菌薬「パンスポリン」の製造を委託した際、ガラス片混入により製品回収を迫られ、その結果、損害賠償訴訟に発展したこともある。武田テバファーマの常務取締役で、武田薬品取締役ジャパンファーマビジネスユニット プレジデントの岩崎真人氏は「当社のクオリティ責任者もデューデリジェンスや改善プラン立案やその運用実態のチェックにも参加している。過去に痛い目を見ているだけに我々も品質管理については十分チェックをしている」と述べた。

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