ドイツ・PARI Pharma開発の薬剤投与デバイスを使用
大日本住友製薬株式会社の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクは10月13日、SUN-101(一般名:グリコピロニウム臭化物)の新薬承認申請(NDA)がこのほど米国食品医薬品局(FDA)により受理されたことを発表した。
SUN-101は、ネブライザーシステム「eFlow(R)」を用いて投与される、グリコピロニウム臭化物を有効成分とする長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)の気管支拡張剤。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の長期維持療法を対象に、FDAへ申請していた。処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、2017年5月29日。
eFlowは、ドイツのPARI Pharma GmbHが開発したネブライザーシステムで、中等症から重症のCOPDの治療のために開発されている独自の薬剤投与デバイス。
米国初、COPD患者対象のネブライザーを用いて投与するLAMAに
今回のNDAには、SUN-101の有効性および安全性を評価した3つのフェーズ3試験(GOLDEN-3、GOLDEN-4、GOLDEN-5)の結果が含まれている。GOLDEN-3およびGOLDEN-4試験の結果、同剤は主要評価項目である12週間後の努力呼気1秒量(FEV1)のトラフ値のベースラインからの変化量について、プラセボに対して統計学的に有意な改善を示したとしている。
COPDの治療薬としてすでに用いられているグリコピロニウム臭化物と、投与時間を短縮するように設計された携帯型のネブライザーシステムとの組み合わせは、COPDに苦しむ患者にとって有用な治療選択肢となる可能性がある。サノビオン社は、同剤がFDAにより承認されれば、COPD患者を対象とした米国初のネブライザーを用いて投与するLAMAとなるとして、引き続きFDAと連携していくとしている。
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・大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース