標準治療後に進行、または適切な治療法がない固形がんの患者が対象
エーザイ株式会社は10月12日、同社創製のマルチキナーゼ阻害剤「レンバチニブメシル酸塩」と、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体「ペムブロリズマブ」との併用療法による、固形がんを対象とした臨床第1b相試験の結果について、10月7日~11日に開かれた欧州臨床腫瘍学会年次総会で発表したと公表した。
この試験は、レンバチニブとペムブロリズマブ併用療法の有効性と安全性を評価する多施設共同、非盲検の臨床第1b/2試験。臨床第1b相パートでは、最大耐性量(MTD)の決定を主要目的とし、標準治療後に進行した、または適切な治療法がない固形がんの患者13人(腎細胞がん8人、子宮内膜がん2人、非小細胞肺がん2人、メラノーマ1人)を対象に、レンバチニブは24mg/日(3人)または20mg/日(10人)の用量を経口投与し、ペムブロリズマブは3週ごと200mgを静脈内投与した。副次評価項目として奏効率、全生存期間、無増悪生存期間などを評価した。
米国にて第2相パートが進行中、日本での第1b相試験も準備中
2016年8月時点の第1b相パートの最新結果において、レンバチニブ24mg/ペムブロリズマブ投与群では、3例中2例で用量制限毒性(DLT)が報告された。レンバチニブ20mg/ペムブロリズマブ投与群(10例)では、DLTは報告されず、同併用療法におけるMTDは、レンバチニブ20mg/日とペムブロリズマブ200mg/3週間として確認された。
また、副次評価項目のひとつである奏効率は、69.2%(全13例の結果)だった。グレード3以上の有害事象は69.2%で観察され、また、有害事象による投与中断はなかった。高頻度に観察された有害事象の上位3つは、食欲減退、下痢、疲労だったとしている。
なお、同併用療法の開発は、両社提携の元で実施している。現在、試験は米国において臨床第2相パートが進行中であり、日本における臨床第1b相試験についても、開始準備中。
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・エーザイ株式会社 ニュースリリース