網膜色素変性症や加齢黄斑変性などの視細胞変性疾患が対象
参天製薬株式会社は10月6日、iPS細胞由来網膜細胞を用いて、網膜色素変性症や加齢黄斑変性などの視細胞変性疾患に対する新規治療薬候補の同定を目的とした共同研究を、理化学研究所および先端医療振興財団とともに開始したと発表した。
網膜色素変性症は、進行性の視細胞および網膜色素上皮細胞の機能障害を特徴とする遺伝性の網膜疾患。網膜色素変性症における視機能障害は、視力低下、夜盲、視野欠損などの症状として現れる。また、加齢黄斑変性は50歳以上の年齢でみられ、黄斑が障害されることによって、中心視力の低下が引き起こされる網膜疾患。
iPS細胞の網膜細胞への分化・誘導に関する技術により、疾患モデルを用いた治療薬候補を評価
今回の共同研究では、先端医療振興財団が管理する先端医療センター研究棟に共同研究室を設置し、理研が蓄積してきたiPS細胞の網膜細胞への分化・誘導に関する技術を活用することで、視細胞変性疾患の病態を反映した疾患モデルの構築およびその疾患モデルを用いた治療薬候補評価を共同で行う。
参天製薬らは、この共同研究によって、視細胞変性を患う患者に、より早くより確実に治療の機会を提供することを目指していきたいとしている。
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・参天製薬株式会社 ニュースリリース