非弁膜症性心房細動患者の後期高齢者を対象として
第一三共株式会社は10月3日、非弁膜症性心房細動を有する後期高齢者を対象とした大規模臨床研究(All Nippon AF In Elderly Registry、ANAFIE Registry)を開始したと発表した。
現在、日本における65歳以上の20~30人に1人が心房細動の患者で、65歳以上の男性の10人に1人にその疑いがあるとの結果が報告されている。脳卒中を含む脳血管疾患は、死亡原因の第4位。心房細動を有する人は、心房細動を有しない人に比べ、脳卒中のリスクが3~5倍高くなる。心房細動に伴う脳卒中患者の死亡率は、心房細動を伴わない脳卒中患者の約2倍とされる。
DOACの適切な使用法を明確にする大規模臨床研究
心房細動の抗凝固療法には、50年以上にわたりワルファリンが用いられてきたが、日本では2011年から、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制の適応症で、直接経口抗凝固薬(DOAC)が相次いで使用可能となった。
今回開始したANAFIE Registryは、非弁膜症性心房細動を有する後期高齢者30,000人を登録し2年間追跡する観察研究で、登録された患者の抗凝固療法の実態とその予後を分析する。また、登録された患者における脳卒中、全身性塞栓症および頭蓋内出血発症のリスク因子を特定し、DOACに最適な治療対象集団の把握、その集団に対する同社製品の「リクシアナ」(一般名:エドキサバントシル酸塩水和物)を含むDOACの適切な使用法を明確にするとしている。
同社は、この試験の結果が、日本の高齢者非弁膜症性心房細動患者の治療の向上につながるものとして、期待を寄せている。
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・第一三共株式会社 ニュースリリース