厚生労働省は9月30日、トリクロサンなど19成分が含まれる抗菌石けんについて、代替製品への切り替えを進めるよう石けんメーカーなどに促した。米FDAが抗菌性を証明するデータが不足しているとし、抗菌石けんを販売停止としたことを踏まえた措置。厚労省は、流通する抗菌石けんの把握と共に、1年以内に代替品に切り替えるための承認申請をメーカーに促した。
米FDAは9月、感染症の低減を証明するデータが不足しているなどの理由から、トリクロサン、フルオロサラン、ヘキサクロロフェンなど19成分を含む抗菌用石けんを1年以内に販売停止する措置を発動。これを受け、石けんメーカーなどで構成する日本化粧品工業連合会、日本石鹸洗剤工業会は、これら成分を含まない製品への切り替えを会員に要請していた。
こうした動きを受け、厚労省は9月30日、石けんメーカーに流通する薬用石けんの把握とトリクロサンなどの対象成分を含まない代替製品への切り替えを促すよう都道府県担当者に通知した。
対象成分を含む薬用石けんは国内で約800品目が承認されているが、今のところ関連する健康被害は報告されていないという。
薬用ハンドソープや薬用ボディソープ、薬用洗顔料などの薬用石けんが切り替えの対象となる。厚労省は来年9月30日までに、対象成分の代替新規申請または承認整理を求めている。
さらに、薬用石けん以外の石けんも同様に対象成分を含まない製品への切り替えを検討すべきとしている。薬用石けんの流通の有無などについて点検を行い、その結果を今月28日までに厚労省に報告することを求めた。