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1975年型日本食、ヒトの健康維持に有効-東北大

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2016年10月05日 PM02:00

健常人や軽度肥満者に与える影響を現代食と比較・検討

東北大学は9月12日、ヒト介入試験を行い、1975年頃に食べられていた献立の特徴を有した食事(1975年型日本食)と現代食の生体への影響を比較したところ、1975年型日本食は健康有益性が高いことを見出したと発表した。この研究は、同大学大学院農学研究科食品化学分野の都築毅准教授らのグループが、同大学院医学系研究科公衆衛生学分野の辻一郎教授、遠又靖丈講師らと共同で行ったもの。


画像はリリースより

日本は世界が認める長寿国であり、日本人の日常摂取している食事である「」の高い健康有益性がその理由のひとつと考えられている。以前、研究グループは、現代と過去の日本食をマウスに摂取させ、最も健康有益性の高い日本食の同定を試みたところ、1975年頃の日本食は肥満を抑制し、加齢性疾患である糖尿病、脂肪肝、認知症を予防し、寿命を延伸することをマウスを用いた動物試験で明らかとしている。

そこで今回の研究では、この1975年の日本食の特徴を明確にし、1975年型日本食がヒトにおいても有益な効果を発揮するかを証明するために、健常人や軽度肥満者に与える影響を現代食と比較・検討したという。

健常人はストレス軽減、運動機能向上、軽度肥満者はBMI低下

まずは、1975年の日本食の特徴を、過去の研究結果をもとに明確にした。その特徴は、5つの要素に分けられた。第1は「多様性」で、いろいろな食材を少しずつ食べ、主菜と副菜を合わせて3品以上あった。第2は「調理法」で、「煮る」、「蒸す」、「生」を優先し、次いで、「茹でる」、「焼く」を、「揚げる」、「炒める」は控えめだった。第3として、「食材」で、大豆製品や魚介類、野菜(漬物を含む)、果物、海藻、きのこ、緑茶を積極的に摂取し、卵、乳製品、肉も適度に(食べ過ぎにならないように)摂取していた。第4は「調味料」で、出汁や発酵系調味料(醤油、味噌、酢、みりん、お酒)を上手く使用し、砂糖や塩の摂取量を抑えていた。第5は「形式」で、一汁三菜(主食(米)、汁物、主菜、副菜×2)を基本として、いろいろなものを摂取していたという。

この特徴を有した食事を1975年型日本食とし、実験1として軽度肥満者に、実験2として健常人に与える影響を現代食と比較した。実験1では、BMIが24~30の軽度肥満者で年齢20~70歳の被験者を現代食群30人と1975年型日本食群30人に割り当て、それぞれの食事を1日3食、28日間摂取してもらい、試験期間前後に各種パラメーターの測定を実施した。実験2として、BMIが18.5~25の健常者で年齢20~30歳の被験者を現代食群16人と1975年型日本食群16人に割り当て、それぞれの食事を1日3食、28日間摂取してもらった。試験期間中に週3回、1日1時間以上の中程度の運動を行い、試験期間前後に各種パラメーターの測定を実施した。

実験1の結果、現代食群と比べて、1975年型日本食群において、BMIや体重が有意に減少し、LDLコレステロールやヘモグロビンA1c、腹囲周囲長が減少傾向、HDLコレステロールが増加傾向を示した。また、実験2の結果、現代食群と比べて、1975年型日本食群において、ストレスの有意な軽減、運動能力の有意な増加が見られたとしている。

この時代の日本食の特徴を社会に発信することにより、現在の食生活を見直す食育の一助となることが期待できる。また、高齢社会にあって、患者数が増加している老化性疾患の予防に役立つ「日本食」を世界へアピールすることが期待できると、同研究グループは述べている。

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