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レンバチニブの第3相試験開始、2つの併用療法で-エーザイ

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2016年10月04日 PM02:00

エベロリムスおよびペムブロリズマブで、進行性腎細胞がんの一次治療を対象に

エーザイ株式会社は9月30日、同社創製のマルチキナーゼ阻害剤「」と、」または抗PD-1抗体「ペムブロリズマブ」との2つの併用療法に関して、進行性腎細胞がんの一次治療を対象としたグローバル臨床第3相試験(307試験、CLEAR試験)を開始すると発表した。

腎がんの罹患者数は、2012年において世界で約33万8,000人、欧州では約11万5,000人、米国では約5万8,000人、日本では約1万7,000人と推定されている。腎細胞がんは、腎臓におけるがんの90%以上を占めており、尿細管の細胞ががん化したもの。罹患率は50歳代後半以降に増加し、女性より男性に多く発症するといわれている。手術が難しい進行性や転移性の腎細胞がんでは、分子標的薬による治療が標準だが、5年生存率が低く、依然としてアンメット・メディカル・ニーズの高い疾病だ。

標準療法であるスニチニブ単剤投与群との有効性と安全性を比較

今回開始されるCLEAR試験は、進行性腎細胞がんの患者を対象とした「レンバチニブ/エベロリムス」および「レンバチニブ/ペムブロリズマブ」併用投与群の2群と、一次治療の標準療法であるスニチニブ単剤投与群との有効性と安全性を比較する、多施設共同、無作為化、非盲検の臨床第3相試験。同試験では、(PFS)を主要評価項目として評価する。

レンバチニブとエベロリムスを併用した非臨床研究においては、レンバチニブが腫瘍血管新生に関与するシグナル伝達経路の上流(VEGFRとFGFR)を、エベロリムスが下流(mTOR)をそれぞれ抑制することで、血管新生阻害の相乗的な増強、および腎細胞がんに対して単剤より強い増殖阻害を示すことが報告されている。さらに、レンバチニブと抗PD-1抗体を併用した非臨床研究においては、レンバチニブが免疫抑制性の腫瘍関連マクロファージを減少させ、抗PD-1抗体の抗腫瘍活性を有意に増強するという併用メカニズムが示唆されているとしている。

なお、レンバチニブは、甲状腺がんに係る適応で米国・日本・欧州など45か国以上で承認を取得。また米国では、「血管新生阻害薬の前治療歴を有する進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」の適応で、2016年5月に適応追加の承認を取得している。さらに欧州においても「血管内皮増殖因子を標的とした薬剤の前治療歴を有する成人での進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」の適応で2016年8月に承認を取得している。

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