医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 認知症治療薬「idalopirdine」、フェーズ3試験結果を発表-大塚

認知症治療薬「idalopirdine」、フェーズ3試験結果を発表-大塚

読了時間:約 1分10秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年09月28日 PM02:45

進行中の3本のフェーズ3試験のうち最初の試験

大塚製薬株式会社は9月26日、デンマークのH.ルンドベックA/Sと共同開発中の「idalopirdine」について、進行中の3本のフェーズ3試験のうち、最初の試験であるSTARSHINE試験の主要評価項目の結果を発表した。

同剤は選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤で、皮質や海馬など脳の認知機能に関わる領域に発現し、複数の神経伝達系の活動を調節するセロトニン5-HT6受容体に作用する。モデル動物においては、認知機能を改善させ、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルの海馬機能に対する効果を増強させていた。

複数の先行試験でセロトニン5-HT6受容体拮抗剤がアルツハイマー病の治療に有益である可能性が示されたことから、ルンドベック社は2009年11月より24週間投与のフェーズ2試験(軽度から中等度のアルツハイマー病におけるドネペジルと同剤との併用療法)を実施していた。

主要評価項目は達成せず。安全性と忍容性は確認

フェーズ3試験では、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症症状に対して治療中の患者を対象に同剤の効果を検証している。今回発表されたSTARSHINE試験では、ドネペジルとの併用で同剤の2つの用量群およびプラセボ群を比較した。その結果、2つの用量群とも主要評価項目である認知機能評価(ADAS-cog:Alzheimer’s Disease Assessment Scale-cognitive subscale)の総スコア低下に対して十分な有効性が示されなかったという。また、副次評価項目であるプラセボ群との差もみられなかった。

同剤の全般的な副作用に関しては安全性と忍容性が示されており、詳細な試験データは解析中という。なお、進行中の2本のフェーズ3試験については、2017年1~3月に結果を報告予定としている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK