高活性の抗体模倣薬であるNanofitin技術を活用して
武田薬品工業株式会社は9月21日、仏国のAffilogic社が有するNanofitin(R)技術を活用し、中枢神経系疾患を対象とした治療薬に関する共同研究開発を実施する契約を締結したと発表した。
Affilogic社は、新たな種類の標的リガンドであるNanofitinの創出と開発に特化した非上場のバイオ医薬品企業。Nanofitinは、高活性の抗体模倣薬で、極めて小さな分子量(7 kDa、モノクローナル抗体の約20分の1)、高い安定性、優れた組織透過性といった、低分子様の性質を多く示す。生来の高い安定性を有する骨格によって、熱やpHの影響を受けにくく、プロテアーゼに対して安定的で、自発的にその活性構造を維持する。シンプルで拡張性があり、またコスト面でも注目されるGMP準拠の醗酵、または化学合成によって生成される。
神経疾患を対象にNanofitinを評価、最適化へ
今回の契約締結により、米国カリフォルニア州サンディエゴにある武田薬品の研究所において、神経疾患を対象に脳にバイオ医薬品を到達させることを可能にするNanofitinを評価、最適化するため、両社がそれぞれの専門性を活かし研究開発を行う。
同契約に基づき、Affilogic社は、武田薬品から契約一時金および研究費を受領するほか、追加の研究費用、販売マイルストンおよびロイヤリティを受領する可能性がある。武田薬品は、同共同研究開発から生じたAffilogic社のNanofitinを活用した製品について、全世界における販売権を獲得。その他の契約の詳細については開示していない。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース