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開発中のADHD治療剤dasotraline、小児対象フェーズ2/3試験で主要評価項目を達成-サノビオン

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2016年09月26日 PM12:00

24時間の投与間隔で持続的な治療効果が期待される新規のDNRI

大日本住友製薬株式会社の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクは9月20日、)治療剤として米国で開発中のdasotraline(開発コード:SEP-225289)について、6歳から12歳の小児のADHD患者を対象としたフェーズ2/3試験(SEP360-202試験)において、4mg/日投与群で主要評価項目を達成したことを発表した。

ADHDは、不注意、多動性・衝動性を特徴とする発達障害だが、米国では4歳から17歳の小児のうち約11%がADHDと診断されている。ADHDの小児の60%は、成人期まで症状が継続すると言われており、米国では18歳から44歳の成人の4.4%は、ADHDによる症状や障害を患っているという。

dasotralineは、サノビオン社の自社開発品であり、ドパミンおよびノルエピネフリンの再取り込みを阻害する新規のDNRI。半減期は47時間から77時間と長く、24時間の投与間隔で持続的な治療効果が得られることが期待されている。

4mg/日投与群が統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善示す

今回の試験は、6歳から12歳の小児のADHD患者342例を対象に、同剤2mg/日、同剤4mg/日の有効性および安全性を検討した、6週間の多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検比較フェーズ2/3試験。主要評価項目は、投与6週間後のADHD Rating Scale-IV Home Version(ADHD RS-IV HV)総スコアのベースラインからの変化量だった。

その結果、同剤4mg/日投与群は、プラセボに対して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。同剤2mg/日投与群では、プラセボに対して統計学的に有意な改善は示されなかった。また、同剤は総じて良好な忍容性を示した。主な有害事象(発現率5%以上かつプラセボ投与群より多く発現したもの)は、不眠、食欲減退および体重減少であり、同剤投与群の有害事象による中止割合は9.3%だったとしている。

なお、試験結果の詳細は、サノビオン社により今後の学会で発表される予定。また、同剤については、米国において成人の過食性障害(BED)を対象とした臨床試験も実施している。

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