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【日本調剤】「水野薬局」を子会社化-調剤事業のシナジー期待

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2016年09月23日 AM10:30

日本調剤は、東京文京区内で薬局2店舗を展開する合同会社水野(水野善郎代表)の持分100%を取得し、子会社化する。合同会社水野は、日本で最初の調剤薬局として知られる「」を経営し、業界最先端といっていいICTを活用した効率的な店舗運営、医療安全性向上への取り組みなどを特徴とする。日本調剤では、長年の歴史で培われた水野薬局の運営ノウハウを既存店舗に活用することで、「調剤薬局事業での多大なシナジー効果が期待できる」としている。持分譲渡実行日は10月1日の予定。

三津原常務

水野薬局は1909年の開局。医薬分業の先がけとして、64年には日本で初めての調剤薬局「水野調剤薬局」を開設。80年代には薬歴のIT化推進に着手し、94年には薬局として世界で初めてといえるホームページを開設(http://drug.com)するなど、先進的な薬局業務を追求してきた。現在、文京区内に2薬局(東大病院前「水野薬局」、日本医大病院前「にしすが水野薬局」)を展開し、2015年11月期の売上高は27億8800万円。

このほか水野薬局の特徴として、薬局業界では数少ないISO9001認証の継続的な維持、独自開発したビデオカメラ(調剤レコーダー)による医療安全管理、さらには自社特許技術を用いたビッグデータ解析による調剤エラーの検出──といった“徹底した品質・安全管理”への取り組みが挙げられる。

21日の会見で日調の三津原庸介常務は、三つのシナジー効果(業界最先端のICT、高度薬学管理機能強化、患者および薬局業界での高いブランド価値)を強調。中でも高度薬学管理機能強化に関しては、「日本調剤グループでは大学附属病院前薬局が67店舗あり、また既に旭川医大病院、名古屋大病院等と研修プログラムを実施し、薬剤師を育成している。今回の水野薬局の子会社化によって、さらなる高度薬学管理機能の強化とノウハウの取得が可能になる。また、両社ともに業務システムを自社開発しており、今後は双方の優れたシステム面を活用することで、一層の医療安全性向上も期待できる」とした。

これまで日調が行ってきた年間に数件のM&Aでは、同時に看板も変えていたが、今回の水野薬局のM&Aに関しては「店名、システムは当分の間、変更はない」とする。水野薬局の現経営陣は全員退任し、日調から役員を派遣するほか、両社のノウハウを活用するため、相互の人事交流等も検討していく。なお、水野薬局が加入している薬剤師会および日本保険薬局協会に関しては、引き続き継続していくという。

■「突然で驚いている」石井日薬副会長

日本薬剤師会の石井甲一副会長は21日の定例会見で、日本調剤による水野薬局の買収について、「突然のことで驚いている」と述べた。

石井氏は水野薬局について、「医薬分業元年とされる1974年以前に調剤に特化した経営を始めた、ある意味で分業を先導してきた薬局」との認識を示した上で、分業の象徴ともいえる薬局が大手調剤チェーンの日調の傘下に入ることの影響については、「どうなるか分からない」とした。

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