日本漢方生薬製剤協会らが中心となり設立
薬用作物産地支援協議会は、薬用作物の産地形成を促進するため、10月から全国8か所で薬用作物の産地化に向けた地域相談会を開催する。同協議会は全国農業改良普及支援協会および日本漢方生薬製剤協会により設立。平成28年度「薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業」の「薬用作物産地支援体制整備事業」を活用し、薬用作物に関する事前相談・マッチング窓口の設置に関する事業、指導者向け栽培技術研修会の開催等技術指導体制の整備に関する事業、その他薬用作物の産地形成を促進するために必要な事業などに取り組んでいる。
2012年にまとめられた農林水産省「食」に関する将来ビジョン検討本部『「食」に関する将来ビジョン』加速化案では、厚生労働省に対して「漢方原料の安定的な国内生産体制の構築」への連携強化が要請されている。そのプロジェクトの1つとして「生薬の国内生産振興に資する情報を集約して生産現場に提供していくため、厚労省、農水省、関係業界団体・企業による情報交換の場を設ける」ことが明記された。
その後、厚労省、農水省の課長級会議として生薬の国内生産をめぐる情勢・課題について認識共有するための「薬用作物に関する情報交換会」が開催。厚労省、農水省、日漢協の他に北海道、長野県、富山県の地方自治体、さらには医薬基盤研薬用植物資源研究センター、全国農業協同組合中央会の関係者が参加し、国内での生薬生産を推進するためには、まずは薬用作物栽培に関する情報を生産者側と共有する機会が必要であるとした。
今後、安定的な原料調達が困難になる可能性を危惧
国内の漢方製剤・生薬の生産金額が拡大する中、生薬の原料は8割以上を中国からの輸入に依存している。一方、生薬の原料は、中国国内での需要量の増加等により、今後の安定的な調達が困難になる可能性が危惧されており、その対策として国内産原料の生産拡大が求められている。薬用作物の栽培に係る、あるいは今後検討したいと考えている生産者(団体)等の関係者などを対象に開催される今回の地域相談会では、薬用作物の国内原料の安定供給や需給に関する情報の受発信と生産者・産地サイドからの相談を通して実需者サイドとの連携を深めるのが狙いだ。
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