ROS1陽性進行NSCLCで顕著な抗腫瘍効果を確認
米国のファイザー社は9月14日、「ザーコリ(R)」(一般名:クリゾチニブ)がROS1陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者に対する治療薬として、欧州委員会より承認を取得したと発表した。
今回の承認は、多施設共同単群第1相試験(1001試験)の欧州医薬品庁のヒト用医薬品委員会(CHMP)による肯定的見解に基づくもの。1001試験において、ROS1陽性進行NSCLCの患者は、ザーコリ250㎎の1日2回経口投与を受けた。その結果、ROS1陽性進行NSCLCにおけるザーコリの顕著な抗腫瘍効果が示され、主要目的であったRECIST(固形がんの腫瘍縮小効果判定)に基づく奏効率の基準を満たした。
また、ROS1陽性進行NSCLCにおけるザーコリの安全性プロファイルは、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性進行NSCLCにおいて認められた安全性プロファイルと一貫。今回の承認申請に際し提出した最新のデータセットは、今後開催される医学学会で発表する予定としている。
日本では8月末に承認事項一部変更承認申請、現在審査中
ザーコリは、EUにおいてALK陽性進行NSCLCの成人患者の治療薬として承認されている。2016年3月、米国の食品医薬品局(FDA)は、ROS1陽性の転移性NSCLCの治療薬としてザーコリの適応追加を承認。今回のEUでの承認取得により、ザーコリは米国およびEUにおいてALK陽性またはROS1陽性の進行NSCLCの治療薬として承認を受けた唯一の個別化治療薬となる。
日本においては、「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応症で2012年3月に承認を取得。また、2016年8月31日に「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の承認事項一部変更承認申請を行い、現在審査中。
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・ファイザー株式会社 プレスリリース