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呼吸器バイオ医薬品Benralizumabで喘息増悪の年間発生率低下-英AZ

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2016年09月13日 AM11:00

重症の好酸球性喘息患者を対象として

英国のアストラゼネカは9月5日、抗好酸球モノクローナル抗体Benralizumabの主要第3相試験(SIROCCO試験およびCALIMA試験)で、重症の好酸球性喘息患者において、標準治療薬にBenralizumabを追加することにより、症状の増悪頻度を有意に低減し、肺機能および喘息症状の改善を示す結果が得られたと発表した。この成果は、同日の欧州呼吸器学会(ERS)国際会議で報告されたとしている。

喘息は、世界3億1500万の患者の健康と日常生活に悪影響を与えており、その数は2020年までに4億人に増加すると言われている。喘息症例の約10%が重症で、そのうち約40%は既存の標準治療薬ではコントロール不良。また、喘息患者のうち約半数は、気道炎症と気道過敏性亢進のエフェクター細胞である好酸球によって、頻回の喘息増悪、肺機能の低下およびQOLの低下を余儀なくされている。

Benralizumabは、アストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにより開発された、協和発酵キリン株式会社の完全出資子会社であるBioWa社から導入された製品。直接的かつ迅速にほぼ完全に好酸球を除去する抗好酸球モノクローナル抗体で、24時間以内に効果発現することが早期第1/2相試験により確認されている。

投薬4週間後に肺機能の改善し、持続

今回結果が発表されたSIROCCO試験およびCALIMA試験では、標準治療薬への追加療法としてBenralizumab30mgを4週ごとに投薬する群、および最初の3回は4週ごと、その後8週ごとに投薬する群の2つの用量レジメンでの有効性を、主要評価項目および主な副次的評価項目において評価した。

その結果、喘息増悪の年間発生率の低下(最大51%)を確認。肺機能の改善(最大159mLのFEV1の変化)は、最初のBenralizumabの投薬から4週間後にみられ、その後の治療期間を通じて持続した。また、喘鳴、咳、胸の圧迫感、息切れなどの喘息症状も改善したとしている。

これらの結果は8週ごとの投薬レジメンにおいて示され、4週ごとの投薬レジメンにおいては8週ごとの投薬を上回るベネフィットは見られなかった。さらに、事後解析において、高頻度(前年に3回以上)の喘息増悪の既往歴を有する患者において、増悪率の減少、FEV1および総合喘息症状スコアに関してより大きな改善が見られたことが示された。両試験の詳細結果はThe Lancet誌に掲載された。

なお、SIROCCO試験およびCALIMA試験のデータは、2016年に米国およびEUにおいて計画されているBenralizumabの薬事承認申請に含まれる予定。

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