治療中の薬剤耐性ウイルスの出現監視にも有効
ロシュ・ダイアグノスティック株式会社は9月7日、C型肝炎治療の診断およびモニタリングに有用なC型肝炎ウイルス核酸(HCV RNA)キット「コバス 6800/8800 システム HCV」を9月23日に発売すると発表した。
画像はリリースより
C型肝炎治療では、インターフェロン(IFN)を用いない直接作用型抗ウイルス剤(DAAs)を用いた治療が始まり、高い確率で緩解が可能になっている。ほとんどの場合、C型肝炎ウイルス(HCV)はDAAs治療初期に急激に減少し、検査で検出されないレベルまで下がるが、ウイルスが完全に消滅したわけではなく、薬剤耐性ウイルスの存在により再増殖する場合がある。持続的にHCVに対して薬効が得られ、HCVの排除が達成されているかを確認するためには、治療中・治療後の定期的な監視が重要となる。
測定時間を9.5時間から3.5時間へ大幅短縮
今回発売される「コバス 6800/8800 システム HCV」はPCR法を用いて血液中のHCV RNA量を測定する検査キット。HCV抗体検査陽性後の診断、および治療後のモニタリングに用いられる。従来品の「コバスTaqMan HCV 「オート」 v2.0」の「Dual Probeテクノロジー」を継続採用し、新しい遺伝子検査装置「コバス 6800/8800 システム」用のキットとして発売する。
Dual Probeテクノロジーは、2つのプローブでウイルスを検出する同社独自の技術。HCVのPCR標的配列が変異している場合もしくは後天的に変異した場合でも、見逃しを減らしHCVを適切に検出する。例えばDAAs治療による治療ストレスによってPCR標的配列に変異が生じた場合であっても、低反応性のリスクを低減した測定が可能。さらに、新装置により測定時間は従来の9.5時間から3.5時間に大幅に短縮、RFID(無線チップ)の採用でキットの管理を簡便化するなど、遺伝子検査の効率改善も実現しているという。
使用検体は血清、または血漿。希望販売価格は96テスト349,000円。
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・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース