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後天的な遺伝子発現変化に男女差-阪大

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2016年09月06日 PM03:00

遺伝的な要素を排除、DNAメチル化の個体差を厳密に解析

大阪大学は9月2日、DNAのメチル化の個体差が、常染色体上のDNAにおいては男性のほうが大きく、X染色体上のDNAにおいては女性のほうが大きいことを、世界で初めて明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科附属ツインリサーチセンターの渡邉幹夫准教授と岩谷良則教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「BMC Medical Genomics」に8月26日付けで掲載されている。


画像はリリースより

これまで、ヒトのDNAのメチル化の個体差がどの程度あるのかについては必ずしも明らかでなく、さらにDNAのメチル化の起こりやすさそのものがそもそも遺伝的に決まっている可能性もあるため、ヒトのように遺伝子が異なる個体を対象とした解析が困難だった。研究グループでは、一卵性双生児を対象とし、まったく同一のDNA配列をもつ個体を比較することにより、遺伝的な要素を排除してDNAメチル化の個体差を厳密に解析した。

その結果、常染色体では多くのDNAのメチル化が男性において大きな個体差を生み、X染色体では女性において個体差が大きいことを解明。これにより、DNAメチル化を臨床検査や治療に応用する際の基礎的なデータとなることや、疾患発症や臨床経過の男女差に及ぼすDNAメチル化の影響の解明に寄与することが期待されるという。また男性のほうが後天的要因(環境要因)への感受性が高い可能性が示唆された。

日本初の双子専門研究機関による成果

同研究グループは、「男性のほうが女性よりも環境変化に影響されやすい」からか「男性のほうが女性よりも大きな環境の変化に遭遇する機会が多い」からなのかは確定できないが、男女で後天的な遺伝子の変化の起こりやすさに違いがあることは、疾患の起こりやすさや行動パターンなど、男女で違いがみられるさまざまなことがら(表現型)にも少なからず影響しているのではないか、と述べている。

ツインリサーチセンターは、2009年に日本ではじめて大阪大学に設置された双生児研究を目的とした研究機関。一卵性・二卵性双生児の登録と、DNAなどの生体試料、臨床検査や疫学調査などのデータ等を体系的に収集し活用するとともに、国際共同研究やふたご同士の交流活動も推進している。

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