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ザーコリ、希少肺がんを適応症とする一部変更承認を申請-ファイザー

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2016年09月02日 PM03:00

ALK融合遺伝子に続き、ROS1融合遺伝子を対象に適応症拡大を申請

ファイザー株式会社は8月31日、「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん()」の治療薬として、「(R)」(一般名:)の承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。同剤は日本において「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を対象として、2016年8月に希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されている。

ROS1遺伝子と別の遺伝子が融合しROS1再構成が生じると、各遺伝子の機能が正常に働かず、がん細胞の成長を促進する可能性がある。ROS1の再構成は、NSCLCのおよそ1%に生じることが疫学データから示唆されている。世界では毎年150万の人々が新たにNSCLCの診断を受けることから、そのうちのおよそ15,000症例はROS1遺伝子の再構成によって生じた希少肺がんである可能性があるという。日本においては、肺がんの総患者数が13.8万人であることから、推定患者数は1,400名程度と考えられている。

クリゾチニブは、同社が開発した分子標的薬で、作用機序としてROS1阻害作用も有している。ROS1融合蛋白のチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、腫瘍細胞の成長と生存に必要な細胞内のシグナル伝達を遮断する。ROS1融合遺伝子陽性NSCLCを対象とした、海外第1相試験並びに日本を含むアジア共同第2相試験においてザーコリの有効性と安全性を評価し、その結果を取りまとめ、今回の申請に至ったという。

欧州でも「ROS1陽性進行NSCLCの成人患者」の追加承認を申請中

クリゾチニブは、日本において「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応症で2012年3月に承認を取得。米国では「FDAが承認した検査法でALK陽性と診断された局所進行または転移性NSCLC」を適応症として2011年8月に、欧州においては「前治療歴を有さないまたは治療歴を有するALK陽性進行NSCLC成人患者」を適応症として2012年10月に、それぞれ承認を取得している。

米国においてクリゾチニブは、2015年4月、米国食品医薬品局()によりブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)の指定を受け、同年12月に申請が受理され、さらに優先審査対象品目に指定されている。2016年3月には「ROS1陽性の転移性NSCLC」の適応症が世界で初めて、かつ唯一追加されている。また、)では現在、ザーコリの適応症を「ROS1陽性進行NSCLCの成人患者」に拡大するための承認申請が審査中。

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