インヒビター保有の先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者が対象
中外製薬株式会社は8月26日、血友病Aを予定適応症に皮下注製剤として開発中のヒト化バイスペシフィック抗体emicizumab(ACE910/RO5534262)が、「インヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を対象に、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表した。
血友病Aは、血液凝固第VIII因子の先天的欠損または機能異常により、血液凝固反応が正常に進まず、関節内や筋肉内などのさまざまな部位に、小児時から反復して重篤な出血症状を来たす遺伝性の疾患。特に関節内出血の反復は、血友病性関節症を引き起こし、日常生活動作の障がいなQOL低下を招く要因となる。
青年/成人患者対象の第3相国際共同治験、主要評価群の症例集積を完了
血友病Aの国内患者数は約5,000人と報告されており、近年、多くの重症患者で、定期的に第VIII因子製剤を補充し、出血の頻度を減らす治療が実施されている。また、一部の患者では補充された血液凝固第VIII因子に対する中和抗体(インヒビター)が生じるため、血液凝固第VIII因子に依存せず、血液凝固反応を促進するバイパス製剤を使用した治療が行われている。
同社は、これまでに得られているemicizumabの国内第1/2相臨床試験結果から、同剤が効果やQOLの面で現在の血友病A治療に革新をもたらすことを期待していると述べている。
なお、現在実施中であるインヒビター保有の青年/成人患者を対象とする第3相国際共同治験は、主要評価群の症例集積を完了し、経過観察中。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース