矯正なしの白内障手術、術後の視力回復に限界
米国のアルコンは8月15日、乱視を伴う白内障治療で使用される「アルコン(R)オンライントーリックIOLカリキュレーター」の最新化を行い、サービスを開始した。手術計画において医師をサポートする有益なツールとして、より最適な乱視矯正眼内レンズの選択を可能にし、乱視治療が向上するようデザインされている。
白内障手術を受ける半数以上の患者は、0.75D以上の角膜乱視を伴っている。治療可能な乱視であるにもかかわらず、矯正をせずに白内障手術を受けた場合、術後の視力回復には限界が生じる。また、乱視を持つ患者の3分の2以上が乱視度数0.75D~1.50Dで最も一般的なタイプの乱視でありながら、トーリックIOLレンズを使用した手術が行われていないケースが少なくないとしている。
Barrett計算式採用、予測術後残余乱視の計算に優れる
最新のオンラインカリキュレーターは、適切なレンズの種類と度数を選択しやすいように「Barrett計算式」を採用し、簡便なユーザーインターフェイスを持つカリキュレーターとして再設計された。Barrett計算式は、他の計算式やノモグラムと比較した場合、予測術後残余乱視を計算する上で非常に優れている。角膜後面乱視を予測計算し、患者ごとにELP(effective lens position)を考慮するとともにSIA(術後惹起乱視)のセントロイド値を使用することで術後屈折を良好に予測する。
さらに、選択したAcrySof(R)トーリックIOLモデルの使用可能な全てのIOL計算機能、手術計画をカスタマイズするために使用可能な全てのAcrySof(R)トーリックIOLモデルを表示するほか、多言語対応やより読みやすいフォーマットによる出力が機能として加わった。Barrett計算式とあわせて簡便なユーザーインターフェイスによって手術計画がよりシンプルに行えるよう、新たに設計されている。
オンラインカリキュレーターは、日本では2009年8月から利用されており、最新版はそのサービス開始と同時に日本語を含む20か国語以上で利用が可能となっている。
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・日本アルコン株式会社 メディアリリース