心臓の状態に合わせたペーシング設定を自動で調整
セント・ジュード・メディカル株式会社は8月22日、同社の包括的な心臓再同期療法(CRT)治療オプションとして、新たに「SyncAV(TM) CRTテクノロジー」を上市すると発表した。
SyncAV機能は、従来よりSt. Jude Medical CRTデバイスが有するネガティブAVヒステリシスを基にして改良を加えたアルゴリズム。患者の心臓のリアルタイムな状態変化に反応して自動的に両心室のペーシングタイミングを調節する。心不全患者の多くは疾患に応じてさまざまな再同期ニーズを抱えているが、このSyncAV機能を新たな治療オプションとして使用することで、個々の症例に対してCRT設定の最適化を図ることができる。
既存のQuadra Assura CRT-D、Allure Quadra CRT-Pで使用可能
このSyncAV機能は、すでに条件付きMRI対応となっている既存のQuadra Assura(TM)CRT-DおよびAllure Quadra(TM)CRT-Pにて使用可能となる。
CRT技術は、心不全を患った患者に対し、独自にプログラムされた電気的刺激を送り、左右の心室を刺激して拍動を同期させ、心機能を最適化することによって両心室を再同期させる。心不全に対するデバイス治療は、さまざまな点での発展が見られるが、従来のCRT治療オプションに対しては効果が現れにくい、いわゆるノンレスポンダーも依然存在する。同社による心不全に対する今回の提案は、CRTの効果を最大限に引き出す新たな選択肢を医師や患者に提供するものとして期待が寄せられている。
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・セント・ジュード・メディカル株式会社 ニュースリリース