認知症予防のための介入試験を7月より開始
金沢大学の医薬保健研究域医学系脳老化・神経病態学(神経内科学) 山田正仁教授らの研究チームは、地域における主観的認知障害および軽度認知障害の高齢者を対象とした、ロスマリン酸含有レモンバーム抽出物の認知機能に対する有効性に関する検討を行う「能登ロスマリン酸認知症予防プロジェクト」を能登の七尾市周辺地域で7月より開始した。
画像はリリースより
天然ハーブ等に含まれるポリフェノール類は抗酸化・抗炎症作用などを有することは、これまでも知られていたが、研究チームは、アルツハイマー病モデル動物や試験管内モデルにおいて、ポリフェノールの一種であるロスマリン酸がアミロイドの凝集を抑制するとともに、凝集体の毒性を軽減することを発見した。そこで、ロスマリン酸を豊富に含むレモンバームの抽出物を用いて、認知症に対する予防効果の検証を始めたとしている。
レモンバームはレモンのような香りが特徴的なシソ科の多年生のハーブで、食べ物や飲料の香り付けなどに用いられているほか、入浴剤や乾燥させてポプリの材料としても使われる。
今までに認知症の診断や治療をうけていない人を対象に
「能登ロスマリン酸認知症予防プロジェクト」では、金沢大学神経内科のホームページなどで、長期の服用試験の協力者を募集している。募集対象は「65歳以上79歳以下」「もの忘れが心配な方」「今までに認知症の診断や治療をうけていない」など。9月8日には、七尾市のサンライフプラザ七尾で説明会も開催される。
ロスマリン酸含有ハーブ抽出物による認知症予防介入は世界初。同研究チームは、同研究により高齢者の認知症予防効果を示すことができれば、安全で経済性が高い食品化合物による認知症予防法として確立することが期待される、としている。
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