FDAとのEOP2ミーティングでプロトコルデザインの概要了承
エーザイ株式会社は8月9日、米国のバイオジェン・インク社と共同で開発中の経口βサイト切断酵素(BACE)阻害剤「E2609」について、FDAとのミーティングで早期アルツハイマー型認知症(AD)を対象とした臨床第3相試験を開始するのに十分なデータが得られたことが確認されたと発表した。同試験は2016年度中に開始予定。
E2609は、アミロイド前駆体タンパク質のβサイト切断酵素であるBACEを阻害することで、βアミロイド(Aβ)を減少させる。Aβの脳内の沈着はADの病因のひとつと考えられており、Aβを減少させることにより、病態の進行を抑制する疾患修飾作用が期待されている。
FDAとの臨床第2相試験(202試験)に関するEnd-of-Phase2ミーティング(EOP2ミーティング)において、臨床第3相試験開始に向けた十分な非臨床並びに臨床試験データが得られていることが確認され、今後実施する2つの臨床第3相試験プロトコルデザインの概要について了承された。
24か月の臨床的認知症重症度判定尺度用いてモニタリング
臨床第3相試験は、早期AD患者を対象としたプラセボ対照試験とし、実薬群は50mg/日の1用量。また、主要評価項目として投与期間24か月における臨床的認知症重症度判定尺度(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes:CDR-SB)を用いること、安全性の観点からは通常のモニタリングを実施することについても確認された。
202試験は、PETを用いたスクリーニングによってβアミロイド(Aβ)の蓄積が確認された軽度症候性前期認知症(Prodromal AD)を含む早期AD~中等度AD患者を対象とした、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照並行群間比較試験で、E2609の安全性とAβ総量(Aβ1-xレベル)の変化を評価した。EOP2ミーティングに提出した解析結果では、5、15、50mg/日の3つの投与群全ての投与量群において良好な安全性が示唆されるとともに、用量依存的な血漿中および脳脊髄液中におけるAβ総量の減少が示されたとしている。
両社は、今回のFDAとのEOP2ミーティングにおける議論を受けて、今後、日本・欧州の各当局とも同様の協議を進め、臨床第3相試験をグローバルな多施設共同試験として実施する予定としている。
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・エーザイ株式会社 ニュースリリース