双極性障害におけるうつ症状の改善の効能・効果で
アステラス製薬株式会社は8月9日、開発中の「クエチアピンフマル酸塩」(一般名)の徐放錠(開発コード:FK949E)について、双極性障害におけるうつ症状の改善の効能・効果で厚生労働省に製造販売承認申請を行った。
同剤は、英国のAstraZeneca UK Ltd.より導入。有効成分としてクエチアピンフマル酸塩を含有する1日1回経口投与の徐放錠で、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の開発要請に基づき開発されてきた。
今回の承認申請は、双極性障害のうつ症状を対象に日本で実施したクエチアピンフマル酸塩徐放錠の有効性および安全性を確認する第3相試験(プラセボ対照二重盲検群間比較試験及び継続投与試験)などの結果に基づくもの。今回の承認申請に伴う2017年3月期業績への影響はない。
うつ病と診断され、双極性障害が見逃されるケースも
双極性障害は、躁とうつ症状を繰り返す疾患で、躁の症状に応じて双極性I型とII型にわけられる。厚労省調査によると、国内の患者数は数十万人いるとされているが、本格的な調査が少なくはっきりとした数は明らかになっていない。双極性障害もうつ病も、原因が完全には解明されていないことから、正確な検査方法は開発されておらず、一日も早い原因解明と検査法の開発が急務となっている。
双極性障害で繰り返される躁状態の期間と、うつ状態の期間を比較すると、うつ状態の期間のほうが長いことが多く、うつ病と診断され、双極性障害が見逃されている場合も少なくない。また、双極性障害と診断されても、薬の服用を中断してしまうことなども問題となっており、安全で有効性が高く、飲みやすい薬の開発が求められている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース