■最多演題、若手の登竜門に
日本病院薬剤師会関東ブロック第46回学術大会が27、28の両日、「薬剤師の自立と自律」をテーマに、千葉市の幕張メッセとアパホテル&リゾート東京ベイ幕張の2会場で開かれる。チーム医療に積極的に参画し、薬の責任者として自らの規範で考える“自律”の精神が必要との考えのもと、21題のシンポジウムをはじめ豊富なプログラムが用意されているほか、一般演題も過去最多の478題が集まった。若手薬剤師の研究発表の「登竜門」としての位置づけも期待される中、会期中は関東甲信越1都9県から4000人近い参加者が見込まれそうだ。真坂亙大会長(東邦大学医療センター佐倉病院薬剤部長)は、「病院薬剤師に求められる業務、責務が増大している今だからこそ、力を合わせてスキルアップや医療の発展に貢献できる学術大会にしたい」と意気込みを語る。
第46回学術大会の開催に当たって、真坂氏は「病院薬剤師は、病棟での薬剤管理指導業務に取り組み、各病棟に薬剤師を配置することで自立を成し遂げてきたが、これからは医療人の一人として、本当の意味でのチーム医療に参画し、薬の責任者として自らの規範で考える自律の精神が重要」とテーマの背景を説明する。
こうした考えに基づき、日本病院薬剤師会の木平健治会長による日病薬会長講演「病院薬剤師の展望」、NHKテレビ「総合診療医ドクターG」に出演する千葉大学病院総合診療科の生坂政臣教授による特別講演「医師はどのように診断するのか―診断プロセスの分析」をはじめ、豊富なプログラムを設定した。
特にシンポジウムとパネル討論では、日病薬の専門薬剤師認定制度の癌、感染制御、精神科、妊婦・授乳婦、HIV感染症を対象とするセッションを多数用意。専門薬剤師を育成するための講習会と位置づけ、関東ブロック大会としての特徴を打ち出した。
また、薬学部の教員によるシンポジウム「チーム医療を推進するための大学における取り組み」に加え、薬学生が演者となるシンポジウム「薬学生が取り組む医療薬学研究がエビデンスを作る」を設定。教員、学生の双方向から薬学教育や実務実習に役立つ内容を目指した。
学術大会のメインとなる一般演題は、口頭発表41題、ポスター発表437題と過去最高の478題が集まった。真坂氏は「ここ数年は業務の幅が広がっており、若手薬剤師の参加が非常に多い。ある意味で関東ブロック学術大会は、6年制を卒業した若手の登竜門としての役割があり、若い人が集まりやすく、発表しやすい環境にあるのではないか」と話す。
参加者は、当日参加を含めて4000人近くを見込む。真坂氏は、「国が進める地域包括ケアシステムの構築に向け、病院薬剤師がどういった形で関わっていくのか、これから成果をきちんと積み重ねていかなければならないだろう」と課題を指摘。「今年度から病棟薬剤業務実施加算2や薬剤総合評価調整管理料など、新しい診療報酬も認められ、病院薬剤師に求められる業務、責務が増えている今だからこそ、われわれ薬剤師が力を合わせて医療の発展に貢献できる学術大会にしたいと考えているので、ぜひ幕張にお越しいただきたい」と多くの参加を呼びかけている。