厚生労働省は3日、医療計画の見直しに向けた在宅医療に関する作業部会を開き、在宅医療の医療連携体制などについて議論した。医療計画に記載が求められる在宅医療関連の指標として、訪問薬剤指導を実施する薬局数が盛り込まれているが、算定している薬局に比べて届け出数が圧倒的に多いため、実際に在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している薬局数を指標にする方向性が提案された。
在宅医療における医療連携体制をめぐって、薬局関連の現状を把握するため、医療計画の中に「麻薬小売業の免許を取得している薬局数」「訪問薬剤指導を実施する薬局数」の指標が設定されているが、薬局等の構造としての指標が多く、機能に着目した指標が少ないのが現状。そのため、この日の作業部会では、薬局等が実際に提供しているサービスの実績に注目した指標を充実させることの必要性が指摘された。
薬局に関しても、訪問薬剤指導を実施する薬局数が指標として設定され、診療報酬の在宅患者訪問薬剤管理指導料の届け出を行った薬局数が活用されている。介護保険における居宅療養管理指導の算定回数は伸び、薬剤師による在宅薬剤管理が進んでおり、届け出数は約4万6000薬局に上る。
ただ、実際の医療保険での算定数は3598薬局、介護保険での算定数は1万1020件と、届け出た薬局の約3割にすぎないことから、実際に算定している薬局数を指標にする方向性が示された。
薬剤師代表の有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)は、2016年度診療報酬改定で基準調剤加算の要件に在宅実績が追加されたことを指摘。「こうした実績を指標に使った方がいいのではないか」と提案した。また、連携体制の状況を把握するため、「医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャーなど、多職種で取り組まなければならない高齢者のポリファーマシーがよい指標になるのではないか」とも述べた。