検査設備が未整備な場所での細菌検出が短時間で判定可能に
株式会社カネカは8月2日、ウシオ電機株式会社と共同開発した、持ち運び可能な検査機器「カネカ温調機能付き吸光度計MyAbscope(TM)(マイアブスコープ)」の購入予約を8月1日より開始したと発表した。
画像はリリースより
近年、世界規模で人の移動や物流が急拡大し、感染症や食の安全に対するリスクが高まっている。「サルモネラ菌」「大腸菌0-157」などの病原菌の迅速な検出が重要になる中、設備が整っていない施設では、専門機関への検体の輸送で判定までに数日かかるため、その場で検査判定できる機器のニーズが高まっている。
今回発売される「カネカ温調機能付き吸光度計 MyAbscope」は、核酸が存在すると着色する色素を用いて細菌を特定するという同社独自の核酸検出技術(D-QUICK)を利用した機器。結果は現場において短時間で判明し、感染症の拡大を防ぐことが期待されており、酵素反応を測定することで、魚の鮮度測定にも応用できるなど、他のさまざまな用途にも活用できるという。
医療施設や空港、港湾などへの普及を目指す
同機はA4の小型サイズで約2.0kgと軽量。バッテリー駆動も可能なため、検査現場に持ち込みでき、検査の前処理から測定までを1台で完結できる。また、測定部には、ウシオのSilicone Optical Technology(SOT)技術を採用し、サンプル加熱時や振動環境においても正確な高感度測定が可能となった。さらに、従来は数日かかっていた病害菌なども、検査現場にて短時間での検出が可能になるという。
同機を利用することで、検査設備が未整備な医療施設・空港・港湾でも細菌などの検出結果を短時間で得ることが期待される。同社は「持ち運び可能」「タブレット端末での無線通信制御」という特長を最大限に活用した「IoT」製品として、医療施設や空港・港湾への普及を目指すとしている。
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