輸血による慢性鉄過剰症の治療薬として、2008年4月に承認取得
ノバルティス ファーマ株式会社は7月28日、輸血による慢性鉄過剰症の治療薬として、鉄キレート剤「エクジェイド(R)懸濁用錠」(一般名:デフェラシロクス)の新剤形の製造販売承認申請を行った。
再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの難治性貧血のために、赤血球輸血を繰り返し必要とする患者は、頻回の輸血により体内に過剰な鉄が蓄積され、慢性の鉄過剰症を発症する。生体には、鉄を効率的に体外へ排泄する機能がなく、適切な除鉄治療を行わないと心不全や肝障害といった不可逆的な臓器障害や、糖尿病といった重篤な合併症を引き起こすリスクがある。輸血による慢性鉄過剰症は進行性の重篤な疾患であり、患者の生活の質や予後を改善するためには、継続的な鉄キレート療法により、体内から過剰な鉄を除去することが必要不可欠。
エクジェイドは、輸血による慢性鉄過剰症の治療薬として、世界100か国以上で承認されている経口投与可能な鉄キレート剤。日本では2007年3月に申請を行い、2008年4月に「輸血による慢性鉄過剰症(注射用キレート剤治療が不適当な場合)」を効能または効果として、製造販売承認を取得した。
使い勝手の悪さ、懸濁液の食味の悪さから新剤形開発
しかし、同剤は、懸濁の手間や空腹時投与といった使い勝手の悪さ、懸濁液の食味の悪さなどが、鉄キレート療法を継続する際の障害となっていた。患者の服薬アドヒアランスを高めることを目的として、新剤形(顆粒剤)の開発を行ったとしている。
同剤の新剤形を迅速に患者へ提供できるよう、早期承認に向けて取り組み、輸血による慢性鉄過剰症患者さんの生活の質の向上と予後の改善に貢献していきたいと、同社は述べている。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース