経口投与型のHIFプロリン水酸化酵素阻害剤
アステラス製薬株式会社は7月26日、日本で実施している慢性腎臓病(CKD)患者を対象としたロキサデュスタット(一般名、開発コード:ASP1517/FG-4592)の第3相試験を開始したと発表した。
同剤は、経口投与型の、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素阻害剤で、HIFとは、低酸素の状態に向かう自然な生理学的反応を誘導して赤血球生成(赤血球が生成されるプロセス)やその他の防除経路を“最適化”するたんぱく質転写因子。
2005年6月に米国の医薬品会社FibroGen, Inc.より日本における開発および販売権を取得し、アステラスがCKDに伴う貧血の適応症で開発を進めている。アステラスとFibroGen社は日本、欧州、独立国家共同体、中東、南アフリカにおけるCKD患者の貧血を対象としたロキサデュスタットの開発を共同で行っている。
第2相試験、保存期および透析期CKD患者で忍容性良好
日本で実施された同剤の第2相臨床試験について、保存期CKD患者対象の試験では、同剤の忍容性は良好で、ロキサデュスタット投与群で死亡または重篤な心血管イベントは報告されなかった。
透析期CKD患者対象の試験では、同剤の忍容性は良好で、細菌性肺炎と血栓塞栓症を患った患者の死亡例が1例あったが、ロキサデュスタットとの因果関係はないと判定された。その他の対象群における死亡例は見られなかったとしている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース