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HPVワクチン薬害訴訟提訴で、弁護団ならびに製薬会社双方が声明を発表

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2016年07月28日 PM05:30

弁護団「製薬企業は大々的なマーケティング活動で短期間での公費助成、定期接種を実現」


7月27日、(HPV)ワクチンの接種によって深刻な副反応被害を受けたとして、国およびグラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社に対して、損害賠償請求訴訟を東京、名古屋、大阪および福岡の各地裁に提訴したことを受けて、原告側のHPVワクチン薬害訴訟全国弁護団と、被告側のグラクソ・スミスクラインとMSDがそれぞれ声明を発表した。

HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団は声明で、今回の訴訟の目的を、

被告らの法的責任を明らかにすることによって、一日も早く被害者の健康を回復させ、将来にわたって安心して暮らせるようにすることであり、その真相を明らかにして、二度とこのような薬害が起こらないようにすること

としている。そして、子宮頸がんは「原因ウイルスであるHPVに感染しても発症に至る確率は極めて低く、また、子宮頸がん検診によって、がんになる前の病変を発見し、負担の少ない治療で予防できる疾病」であり、「HPVワクチンは、子宮頸がんそのものを予防する効果は証明されていない」としている。

その上で、被告である、国ならびに製薬企業に対し、

製薬会社は、接種推進を謳う専門家団体に巨額の寄付金を提供するなどして大々的なマーケティング活動を行い、承認から異例の短期間で公費助成、定期接種が実現しました。そして、公権力による接種勧奨によって300万人を超える中学生・高校生の女子に接種された

としている。弁護団は裁判を通じ、被害者が接種前の健康を取り戻し、その未来が再び開かれるように裁判所そして社会に訴えかけるとともに、その法的責任に基づく必要かつ十分な救済策を実施することを要求している。

「圧倒的な科学的エビデンスがあり、主張の内容に根拠はないと信じている」

これに対し、グラクソ・スミスクラインは26日に、MSDは27日に声明を発表。「」を製造・販売するグラクソ・スミスクラインは、

臨床試験や市販後調査などを通じて得た国内・外の安全性に関するデータを、厳密に評価し、報告および情報提供を行っており、各国の評価機関・団体や専門家も、HPVワクチンのベネフィットが副反応のリスクを上回ると評価しています。また、報告されている様々な症状とHPVワクチンとの因果関係は医学的・科学的に明らかになっておらず、弊社は「サーバリックス」のベネフィットが副反応のリスクを上回るものであることを確信しております

と、また「」を製造・販売するMSDは、

無作為臨床試験を含む、圧倒的な科学的エビデンスがあることから、主張の内容に根拠はないとMSDは信じています

とする声明を発表している。

HPVワクチンの定期接種の対応については、厚生労働省による「ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)」が2013年6月に発出されて以来、「積極的な接種勧奨の一時差し控え」の状態が続いている。また、同省が発表した「副反応追跡調査結果」では、HPVワクチンの販売開始から2014年11月までに接種した約338万人のうち、副反応の疑いが報告されたのは2,584人、被接種者約338万人の0.08%、のべ接種回数約890万人の0.03%とされている。(QLifePro編集部)

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