DPP-4阻害剤サキサグリプチンとSGLT2阻害剤ダパグリフロジンの配合剤
英国のアストラゼネカは7月19日、欧州委員会(EC)より、2型糖尿病治療薬Qtern錠に対するEU加盟国全28か国ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェイにおける承認を取得したことを発表した。
Qternは、DPP-4阻害剤サキサグリプチンと、SGLT2阻害剤ダパグリフロジンの固定用量配合剤。18歳以上の2型糖尿病患者で、メトホルミンおよび・またはスルホニル尿素剤の治療にサキサグリプチンまたはダパグリフロジンが併用されているにもかかわらず十分な血糖コントロールが得られない場合の改善、もしくは患者がすでにサキサグリプチンとダパグリフロジンの併用治療を受けている場合の投与を適応としている。
高いHbA1c低下効果で重要かつ新たな治療選択肢に
今回の承認は、欧州医薬品庁に提出された2型糖尿病における3つの試験の結果に基づいたもの。2つの試験では、Qternとメトホルミンの併用がプラセボ群に比べて統計学的に有意なHbA1cの低下を示した。別の試験では、Qternとメトホルミンの併用が、サキサグリプチンあるいはダパグリフロジン単剤それぞれとメトホルミンの併用に比べて、統計学的に有意なHbA1cの低下を示した。これらの試験におけるQternの安全性プロファイルは、サキサグリプチンおよびダパグリフロジンですでに知られている安全性プロファイルと同様だったとしている。
2型糖尿病患者では、その半数近くが治療目標に到達できておらず、高血糖による合併症を発症するリスクを抱えている。同社は、Qternがその高いHbA1c低下効果によって、患者の目標達成の手助けをする重要かつ新たな治療選択肢となると期待している。
なお、同剤に配合されているダパグリフロジンは、日本でも「フォシーガ(R)」として販売されているが、現時点でQternは日本での開発は行われていない。
▼関連リンク
・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース