再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者に対して
武田薬品工業株式会社と米国のSeattle Genetics, Inc.は7月19日、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者に対し、アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)を単独投与した臨床第2相試験の最終データがBlood誌オンライン版に掲載されたことを発表した。この論文は5年間の試験結果を要約したもので、完全奏功に達した患者において長期の病勢コントロールが達成されたことが示されたとしている。なお、Blood本誌にも掲載予定。
アドセトリスは、古典的ホジキンリンパ腫の病理的特徴であるCD30を標的とした抗体薬物複合体。同剤は、45か国以上で臨床試験が実施されており、ホジキンリンパ腫に対する基礎的な治療薬としてグローバルでの評価が行われている。
この適応症に対する2011年のFDAからのアドセトリス承認の裏付けとなった同試験は、アドセトリス単剤投与の有効性および安全性の評価を目的とした単群試験であり、過去に自家造血幹細胞移植を受けた再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫の患者102例を対象に実施された。登録患者は中央値で3種類を超える化学療法レジメンによる前治療歴があった。
全生存期間の中央値40.5か月、無増悪生存期間9.3か月
5年の追跡調査後における同試験の最終結果によると、全生存期間および無増悪生存期間の中央値は、それぞれ40.5か月(95%信頼区間:28.7‐61.9)および9.3か月(95%信頼区間:7.1‐12.2)。推定5年生存率および無増悪生存率は、41%および22%だった。治療を受けた患者102例のうち、34例(33%)が完全寛解を示し、奏効期間の中央値には達していなかった。完全寛解を示した患者において、推定5年生存率は64%(95%信頼区間:48‐80)、5年無増悪生存率は52%(95%信頼区間:34‐69)だった。
完全寛解を達成した患者34例のうち、13例(38%)は追跡調査を継続し、試験終了時に5年以上にわたる寛解を持続していた。これらの患者のうち、4例は寛解中に同種造血幹細胞移植による地固め療法を受け、9例についてはさらなる治療を受けていなかった。グレードを問わず、最も一般的な有害事象は、末梢感覚神経障害、倦怠感、嘔気、好中球減少および下痢。治療により発現した末梢神経障害は、56例(55%)で認められた。これらの患者のうち88%は末梢神経障害の症状改善を示し、73%では完全な消失が認められた。
武田薬品は、今回の結果は再発ホジキンリンパ腫の患者の転帰を改善するうえで、アドセトリスの役割をさらに強固にするものと述べている。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース