FDA承認に向け、PMA申請の最終段階の臨床試験実施中
参天製薬株式会社は7月19日、緑内障用デバイスInnFocus MicroShunt(R)を開発する米国のInnFocus, Inc.を企業買収することについて、同社と最終合意したことを発表した。
画像はリリースより
InnFocus社は、高度な生体適合性材料を用いた緑内障手術の次世代製品の開発・供給を目的にフロリダ州マイアミにて2004年に設立された非上場企業。科学者やエンジニアは、生体適合性材料や医療機器の開発におけるグローバルリーダーで、開発中のMicroShuntはこれらの技術を用いた同社初の眼科治療用デバイスであり、マイアミ大学医学部ミラースクール・バスコンパーマー眼科研究所と共同で開発したという。
MicroShuntは、緑内障における視野欠損の進行を防ぐために房水排出路を形成し、安定した眼圧下降を実現する、生体適合性の高いSIBS素材を用いたインプラント。眼圧を下げることが緑内障における視機能の維持に最も有効とされており、MicroShuntは従来の緑内障手術よりも低侵襲性かつ術後管理の容易性が期待できる。すでに欧州におけるCEマークの承認を取得しており、現在、FDA承認取得に向けPMA(市販前承認)申請の最終段階の臨床試験が、米国および欧州にて実施されているとしている。
緑内障領域における製品パイプラインの強化へ
今回の契約条件に基づき、参天製薬は、買収対価として、契約実行(クロージング)時に225百万米ドルを支払い、また、MicroShuntの開発の進捗および販売実績に応じたマイルストンを支払う可能性がある。なお、契約実行の条件には、米国のハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法に基づく許可取得が含まれる。
参天製薬は、MicroShuntが新たな治療選択肢として、患者に大きな治療効果をもたらすことができると期待を寄せている。また、この買収により緑内障領域における製品パイプラインの強化に取り組むとともに、グローバルな眼科領域においてさらなる治療貢献を目指していきたい、と述べている。
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