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DNAの混入防ぐ卓上型クリーンルーム開発-広島大ら

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2016年07月15日 PM12:00

信頼性の高い極微量DNA解析も可能に

広島大学は7月13日、外来DNAの混入を防止し、信頼性の高い極微量DNA解析を可能にする卓上型クリーンルームを開発したと発表した。この研究は、同大学の高橋宏和研究員、岡村好子准教授らが農研機構の小堀俊郎研究員らとの共同で、興研株式会社と関東化学株式会社の協力を得て実施したもの。研究成果は、米科学誌「Bio Techniques」オンライン速報版に7月1日付で公開された。


画像はリリースより

従来、DNA増幅を行う場合には、外来DNAの混入(コンタミネーション)を防止するために、主に無菌操作用のクリーンベンチが使用されていた。しかし、外来DNAの混入を完全に防ぐことは難しく、1細胞レベルの極微量のDNA、特に全ゲノムを増幅する場合には大きな問題となっていた。

そこで、研究グループは、従来の実験環境において、注意深く全ゲノム増幅の操作を行った場合でも生じてしまうコンタミネーションの主原因が、実験環境中の浮遊微粒子(主成分は直径0.1µm)であること、また実験器具に発生する静電気が外来DNAを含む浮遊微粒子を集めてしまうことを明らかにしたとしている。

末梢血中の遊離がん細胞や血中遊離DNAの解析への応用に期待

さらに、主に半導体などの研究用に用いられる、国際標準規格ISO-1の清浄度(全微粒子数が10個/㎥以下)の空間を形成する既存のクリーンシステムをベースに、外来DNAの混入をほぼ完全に防止してDNA増幅を行うことができる新しい卓上型クリーンルームを開発した。

今回開発した卓上型クリーンルームシステムは、興研から国内向けに販売が開始されている。このクリーンルームによって、1細胞由来の極微量のDNAから高い信頼性と再現性を持った全ゲノム増幅が可能になるため、これまで困難であった培養できない微生物の有用遺伝子探索研究のさらなる促進が期待される。

また、全ゲノム増幅法はヒトの1細胞からでも可能なため、末梢血中の遊離がん細胞や血中遊離DNAの解析などの医学研究への応用や、臨床におけるDNA解析への応用など、幅広い分野での利用が期待できると、研究グループは述べている。

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