副腎皮質ステロイド以外に初めてFDA承認を取得
米国のアッヴィは6月30日、「ヒュミラ(R)」(一般名:アダリムマブ)について、米国食品医薬品局(FDA)より、非感染性の中間部、後部および汎ぶどう膜炎の治療薬として承認を取得したことを発表した。
同剤は、非感染性の中間部、後部および汎ぶどう膜炎成人患者の治療薬として、ステロイド以外で初めてFDA承認を取得した治療薬となった。なお、この適応症は、米国においてヒュミラの使用が認められた10番目の免疫介在性疾患。同剤は13年以上前に米国で最初の承認を取得して以来、90を超える国で、14の適応症で承認されている。
プラセボと比較、再燃のリスクが有意に低減
非感染性ぶどう膜炎は、ぶどう膜炎の再燃および視力低下の複合し、視覚障害を起こすおそれのある免疫介在性疾患。同剤は、ぶどう膜炎に関与している可能性がある特異的な炎症を引き起こすTNF-αを標的とし、これを阻害すると言われている。
今回のFDA承認は、「VISUAL-I」と「VISUAL-II」という2つの第3相試験の結果に基づくもの。両試験では、活動性またはコントロールされた非感染性の中間部、後部または汎ぶどう膜炎の患者にヒュミラを投与したところ、プラセボと比較して、再燃のリスクが有意に低減したことが示された。また、同剤を隔週投与した非感染性ぶどう膜炎の成人患者において、新たに特定された安全性のリスクは認められなかったという。
なお、同剤は2016年6月、非感染性の中間部、後部または汎ぶどう膜炎の成人患者のうち、副腎皮質ステロイドで効果が不十分であった患者、または副腎皮質ステロイド依存症で副腎皮質ステロイドの減量を必要とする患者、または副腎皮質ステロイドによる治療が不適切な患者の治療薬として、欧州委員会の承認も取得している。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース