厚生労働省の武田俊彦医薬・生活衛生局長は8日、専門紙の共同会見に応じ、高額薬剤の適正使用問題を「取り組まなければならない課題」と位置づけ、骨太方針に打ち出された革新薬の使用最適化に向け、承認範囲の中で対象患者、使用する医師の要件等を記載した使用ガイドラインの作成が必要との考えを明らかにした。また、化学及血清療法研究所(化血研)の不正事件を受けた一斉点検で、7割の医薬品で承認書と違いが見られたことに言及。「統括製造販売責任者をはじめ、製造販売業三役の果たすべき役割が形骸化していないか」と問題意識を示し、再発防止の観点から必要な対応について業界の意見を聞きたいとした。
■「製販三役」 役割に問題意識
武田氏は、急激な高齢者の増加、人口減少社会に向け、地域包括ケアシステムの推進を欠かせない課題としつつ、医療制度の持続可能性を脅かす問題として高額薬剤問題を挙げ、「非常に優れた効果を示すが、極めて高額となっている薬剤に、どう折り合いをつけていけばいいのかが大きな課題として突きつけられている」との認識を示した。