摂南大学薬学部は、今春に発足させた臨床研究センターで小児医療の課題解決につながる研究をスタートさせる。最初のプロジェクトとして、小児用口腔内崩壊(OD)錠の評価系構築や規格化を産官学連携で推進する計画だ。一連の研究は、病院や薬局勤務を経験した実務家教員が主体となって行うことも大きな特徴で、高い能力を持ちながら研究の機会に恵まれなかった実務家教員が研究を実践する場としても臨床研究センターを活用していきたい考えだ。
小児医療は“治療上の見捨てられた孤児”と称され、小児の効能や効果、用法や用量などが添付文書に記載されていない医療用医薬品は多い。また、適応はあっても大人用の製剤しかなく、小児の服用性に課題がある医療用医薬品も少なくない。採算性や治験の困難さから製薬会社は小児用薬の開発を敬遠しがち。改善に向けた動きは国内外で見られるものの、依然としてこれらの課題が積み残されたままになっているのが現状だ。