心血管イベント発現リスク高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合
フランスのサノフィは7月5日、Regeneron社と共同で、高コレステロール血症治療剤「プラルエント(R)皮下注75mgペン、同皮下注150mgペン、同皮下注75mgシリンジ、同皮下注150mgシリンジ」(一般名:アリロクマブ(遺伝子組換え))について、7月4日に厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
プラルエントは、PCSK9(前駆タンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)を標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体。今回承認された効能・効果は、「家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症。ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る」。
グローバル第3相臨床試験「ODYSSEYプログラム」では、最大耐用量のスタチン療法を含む標準的な治療法にプラルエントを追加投与したとき、プラルエントはプラセボに比べて強力かつ一貫したLDLコレステロール低下効果を示すことが明らかにされている。国内第3相試験「ODYSSEY JAPAN」では、原発性高コレステロール血症の日本人患者を対象に、プラルエント(開始用量75mg、効果不十分な場合は150mgに増量)を2週毎に投与したときの有効性と安全性について、プラセボとの比較で評価した。
投与後52週時の平均LDL-C値はプラルエント53.4mg/dL、プラセボ135.6mg/dL
全ての患者はスタチン療法(スタチン以外の脂質低下療法との併用は不問)を受けており、ベースライン時点の平均LDLコレステロール値はプラルエント群141mg/dL(3.6mmol/L)、プラセボ群142mg/dL(3.7mmol/L)だった(ランダム化集団)。プラルエント群でLDLコレステロールが事前に規定した目標値に到達しなかった患者については、12週目時点からプラルエント150mgの2週毎投与に切り替えられた(12週以降も投与を継続した140例中2例)。
ODYSSEY JAPAN試験では、プラルエント群が投与後24週時のLDLコレステロールを63%低下させたのに対し、プラセボ群では2%上昇した(p<0.0001, ITT解析)。プラルエント群の強力なLDLコレステロール低下効果は試験終了まで持続し、投与後52週時の平均LDLコレステロール値は、プラルエント群は53.4mg/dL(1.38mmol/L)、プラセボ群で135.6mg/dL(3.51mmol/L)だった(ITT集団)。
日本における第2相および第3相臨床試験では、プラルエント75mg群または150mg群の患者における副作用発現割合は17.1%(193例中33例)。主な副作用として注射部位反応が22例(11.4%)に認められたとしている。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース