厚生労働省は、有効成分ごとに先発品と後発品の品質に関する情報を体系的にまとめた冊子(ブルーブック)を2016年度中にも公表する。
厚労省は、後発品の品質確保対策の一環として、15年度まで審査管理課の「後発医薬品品質情報提供等推進事業」、監視指導・麻薬対策課の「後発医薬品品質確保対策事業」に取り組んできたが、16年度からは、学術的評価と監視指導を連動させた一元的な品質確保を進めるため、二つの事業を国立医薬品食品衛生研究所の「ジェネリック医薬品品質情報検討会」に一本化する。
具体的には、同検討会で市場に流通している後発品だけでなく、学会等で品質に懸念を示されている品目のうち汎用的に使われているものを中心に、優先順位を付けて体系的な品質確認試験を行う。
今後は、品質確認検査を行う国立衛研や国立感染症研究所、地方衛生試験所での体制を強化することで、年間の検査品目数を現在の400品目程度から900品目以上へ増やすほか、同検討会に設置したワーキンググループがブルーブックの作成作業や内容の確認を行い、作成および検討を終えた品目から順に、厚労省のホームページに掲載していく。
ブルーブックには、▽有効成分▽品目名▽効能効果/用法用量▽添加剤▽解離定数▽溶解度▽安定性▽膜透過性▽BSC・Biowaiver option▽薬効分類▽規格単位▽生物学的同等性試験結果▽溶出試験結果▽後発医薬品品質確保対策事業検査結果▽分析法――の15項目について、最新の情報を掲載していく。
政府が15年6月に後発品の数量シェアを「17年度半ばまでに70%以上、18年度から20年度末までの早い時期に80%以上」とする目標を設定したことを受け、15年9月に厚労省が策定した「医薬品産業強化総合戦略」では、後発品の品質確保や情報提供、普及啓発に向けた取り組みとして、ブルーブックの作成を挙げていた。