30%超の患者、既存薬で発作コントロールできず
第一三共株式会社とユーシービージャパン株式会社は7月4日、抗てんかん剤「ビムパット(R)錠 50mg・100mg」(一般名:ラコサミド)について、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」を適応として、国内における製造販売承認を取得したことを発表した。
てんかんは、有病率が約1%、世界に約6500万人がいる疾患で、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢で発症し、国や地域、性別や人種による発症率の違いはない。日本では約100万人のてんかん患者がいるといわれ、毎年5万7,000人が新たにてんかんを発症している。
てんかん発作は臨床症状などに基づき、部分発作(二次性全般化発作に移行することもある)、全般発作および分類不能のてんかん発作という3つの主要なタイプに分類され、このうち部分発作は、全症例の約60%を占める最も高頻度に発現する発作。
患者の大部分が長期的な薬物療法を必要とするが、既存の抗てんかん薬を使用しても、30%を超える患者で発作を十分にコントロールできていないとの報告があり、てんかんは今なお、アンメット・ニーズの高い疾患だ。
「医療上の必要性の高い薬剤」で早期開発に
ビムパットは、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、日本てんかん学会および日本小児神経学会から開発要望書が提出され、同会議にて「医療上の必要性の高い薬剤」との評価を得た。2012年4月に厚労省からの要請に応じて早期開発に取り組み、2015年6月に製造販売承認を申請した。なお、海外では2008年8月に欧州、続いて同年10月の米国を含めて、世界70か国以上で承認されている。
同剤は、既存の抗てんかん薬とは異なる新しい作用機序を有し、電位依存性ナトリウムチャネルの緩徐な不活性化を選択的に促進することにより、神経細胞の過剰な興奮を低下させる薬剤。 日本人を含む部分発作を有する成人(16歳以上)てんかん患者を対象に実施した日中共同第3相臨床試験および長期継続投与試験において、ビムパットの有用性が示されたとしている。
国内では、第一三共とユーシービーグループが2014年11月に締結したビムパットに関する共同商業化契約に基づき、製造はユーシービージャパンが、販売・流通は第一三共が担当し、プロモーション活動は両社共同で実施していく。
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・第一三共株式会社 ニュースリリース