コンパクトかつ廃棄しやすいパッケージで
バイエル薬品株式会社は6月29日、遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤「コバールトリイ(R)静注用250、500、1000、2000、3000」(一般名:オクトコグ ベータ(遺伝子組換え))を発売した。
画像はリリースより
コバールトリイは、ドイツのバイエル社が開発した「コージネイト(R)FS」と同じアミノ酸配列を有する非修飾、完全長の遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤で、臨床試験では、同剤の週2回または週3回の投与による定期補充療法において、血友病A患者の出血抑制効果が示された。
同剤は、日本で20年以上の経験と実績に基づく信頼を受け継ぐもので、3000国際単位(IU:International Unit)製剤が新たに導入され、250、500、1000、2000、3000IUの5規格から個々の患者に適した規格が選択できる。また、コンパクトかつ廃棄しやすいパッケージを開発、導入するなど、患者の利便性を追求したとしている。
世界25か国、重症血友病A患者204人の臨床試験に基づき
今回の承認は、LEOPOLD(Long-Term Efficacy Open-Label Program in Severe Hemophilia A Disease)と呼ばれる臨床開発プログラムの良好な結果に基づくもの。LEOPOLDプログラムは3つの国際共同臨床試験で構成され、全世界25か国、60施設の計204人の小児および成人の重症血友病A(第VIII因子活性1%未満)の患者を対象に、コバールトリイの薬物動態、有効性、安全性が評価された。
日本が参加したLEOPOLDII試験では、コバールトリイについて、定期補充療法の出血時補充療法に対する優位性が示された。推定年間出血率中央値は、低用量定期補充療法群では出血時補充療法群と比較して93.3%減少し、高用量定期補充療法群では96.7%減少。実際のABR中央値は出血時補充療法群で60回/年であったのに対し、低用量定期補充療法群で4回/年、高用量定期補充療法群で2回/年だった。いずれの定期補充療法群でも、一回体重1kg当たり20~40IUの投与で十分な出血抑制効果を維持することができた。出血時補充療法で同剤を使用した場合、出血の95%が1回または2回の投与により止血可能だった。臨床的に重要な薬剤に関連する有害事象は認められず、インヒビターの発現は認められなかったとしている。
なお、血友病Aは欧州では3万人以上、日本では約5,000人の患者がいると報告されている。
▼関連リンク
・バイエル薬品株式会社 ニュースリリース