山本氏は、総会終了後の会見で、2年後に控える診療報酬・介護報酬の同時改定について言及。消費税率の引き上げ延期によって、財源不足に陥ることに懸念を示しつつ、「薬剤師としての仕事をした上で、エビデンスを示す」ことにより、「(財源が)ない中でしっかりと確保するのも大きな課題」と語った。
具体的には、「セルフメディケーションの部分についての調査があまりないという指摘がある」とし、「そこは少し考えていきたい」とした。
また、調剤業務が時代と共に変化している実情を踏まえ、中・長期的なスパンで「薬剤師の役割と調剤というものを再定義し直す必要があるのではと思っている」との考えを示した。かつて、調剤、用法指示の2業務のみだった第1世代の調剤業務が、第5世代では17業務に及んでいることなどを念頭に、「40年前の調剤と今の調剤は全く異なっている」と指摘した。
さらに、「調剤とは何かという議論は、常について回っている」とした上で、「薬剤師としての矜持を持って仕事をするときのバックボーンになる」と強調し、業務の変化に伴い、「どこまで薬剤師の役割の幅を広げるのか」について、「そう簡単にいかないとは思うが、しっかりと議論したい」と語った。
一方、長年、セルフメディケーションやOTC薬の領域に携わってきた前副会長の生出泉太郎氏、前常務理事の藤原英憲氏が交代したことによる影響が懸念されるところだが、乾副会長、渡邉和久常務理事の名前を挙げ、「長年、OTC薬に携わり、知識を持った人がいる」と強調。「『ご心配には及びません』というと生意気に聞こえるので、多分、大丈夫だろう」と述べた。
また、新執行部では、山本氏より年齢が高い役員が3人に減ったことや、「42歳の理事もいる」ことなどを挙げ、若返りをアピール。「新しい発想でこれからの日薬を引っ張っていきたい」との抱負を語った。