医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > コレラ、毒素原性大腸菌対象のワクチン「ムコライス」で共同研究契約-アステラスと東大

コレラ、毒素原性大腸菌対象のワクチン「ムコライス」で共同研究契約-アステラスと東大

読了時間:約 1分9秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年06月27日 PM01:00

遺伝子組み換え技術用いた経口コメ型ワクチン

アステラス製薬株式会社と東京大学医科学研究所は6月23日、、毒素原性大腸菌を対象とした経口コメ型ワクチン「-CTB()」に関する共同研究契約を締結した。

発展途上国では、コレラや毒素原性大腸菌などの起炎菌による下痢症が乳幼児の死亡の大きな原因のひとつ。現在、発展途上国で使用されているコレラワクチンは、コールドチェーンの必要性、毒素原性大腸菌に対して効果が期待できないなどの点で課題がある。

ムコライスは、遺伝子組み換え技術を用い、コメの内在性貯蔵タンパク質にコレラ毒素Bサブユニット(Cholera toxin B subunit)を発現させた経口コメ型ワクチンで、同研究所国際粘膜ワクチン開発研究センターの清野宏教授、幸義和特任研究員らにより開発された。

室温で安定、簡便に製造できる

その特徴としては、室温で安定、簡便に製造できることなどが挙げられ、既存のコレラワクチンのアンメットニーズを充足することが期待されている。現在、MEXT()・AMED()橋渡し研究加速ネットワークプログラムにより、医科学研究所附属病院において医師主導治験(第1相試験)を実施し、データをとりまとめている。

今回締結された契約のもと、今後実施予定のコレラ、毒素原性大腸菌を対象としたムコライスの第1相および第2相臨床試験に関して、東京大学医科学研究所は当該臨床試験のために必要な臨床試験用サンプルや試験データなどを提供し、アステラス製薬は当該臨床開発を担当する。共同研究を通じて、発展途上国に影響を及ぼす感染症ワクチンの開発に取り組むとともに、保健医療へのアクセス(Access to Health)課題の解決に貢献していきたいと、同研究所と同社は述べている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬
  • チルゼパチド、肥満症の日本人対象P3試験で有意な体重減少効果-リリー
  • エブリスディ2年データ、SMA小児の多くが独立歩行可能となったことを示す-ロシュ
  • 点滴ライン整理用の「カラフルホルダー」開発、ワンタッチで長さ調節可-東北大ほか