国内の患者数43万人の尋常性乾癬
中外製薬株式会社とマルホ株式会社は6月21日、両社で共同開発を行い、今年3月に中外製薬が製造販売承認を取得した尋常性乾癬治療剤「マーデュオックス(R)軟膏」(一般名:マキサカルシトール/ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)について、マルホより販売開始した。
乾癬は、炎症性角化症に分類される慢性の皮膚疾患で、皮膚の炎症と表皮の新陳代謝異常の2つの側面を持つ疾患。症状により5つの種類に分けられ、その約90%が尋常性乾癬だ。日本では人口の0.3%にあたる43万人が罹患していると報告されている。
典型的な症状としては、皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の上に、銀白色の薄いかさぶたのような鱗屑が付着し、それがフケのように剥がれ落ちる。慢性疾患であり、現在の治療法では完治が難しく、主に外用薬などで症状をコントロールする対症療法がとられている。
複数製剤塗布の併用使用における課題改善
今回発売されたマーデュオックスは、中外製薬が創製した活性型ビタミンD3誘導体であるマキサカルシトールと、合成副腎皮質ホルモンであるベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの配合軟膏。両剤は、尋常性乾癬に対してそれぞれ単独あるいは併用で汎用されている。マーデュオックスは、両剤の利点に加え、複数製剤塗布などの併用使用における課題を改善した使いやすい薬剤を提供するため、配合剤として開発された。
中外製薬とマルホはこれまで、マキサカルシトールを有効成分とする「オキサロール(R)軟膏25μg/g」、「オキサロール ローション25μg/g」でも共同開発を行い、両製品ともにマルホが販売してきた。
皮膚科学領域に特化するマルホと、マーデュオックスの共同開発会社である中外製薬は、同剤が尋常性乾癬に悩む患者のより良い治療に貢献できるものと期待を寄せている。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース