アレルギー性喘息治療薬として開発されたモノクローナル抗体製剤
ノバルティス ファーマ株式会社は6月17日、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤「ゾレア(R)皮下注用75mg、150mg」(一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え))について、慢性蕁麻疹の治療薬として効能追加の承認申請を行ったと発表した。
アレルギー性喘息の治療薬として開発された同剤は、血中や皮膚内の遊離IgEに結合し、肥満細胞(マスト細胞)および白血球の一種である好塩基球の活性化などを抑制することで、慢性蕁麻疹のそう痒・膨疹といった症状を抑制すると考えられている。
国内では成人の気管支喘息治療剤として2009年1月(150mg製剤)および2012年9月(75mg製剤)に、小児の気管支喘息治療剤として2013年8月に承認を取得。2016年6月現在、世界90か国以上でアレルギー性喘息の治療薬として、また、世界80か国以上で慢性特発性蕁麻疹の治療薬として承認されている。
すべての蕁麻疹の約5割を占めるとされる慢性蕁麻疹
慢性蕁麻疹は、国内のガイドラインにおいて「直接的原因なく自発的に膨疹が出現するもののうち、発症後1か月以上経過したもの」と定義され、すべての蕁麻疹の約5割を占めると報告されている。そう痒と膨疹がほぼ毎日発現し、日本の慢性蕁麻疹患者では、約20%に血管性浮腫が併発していることが報告されている。
同社は今後も、皮膚疾患に苦しむ患者のアンメット・メディカル・ニーズを充足し、治療の質の向上に貢献していきたいと述べている。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース