TDFをTAFに置き換えた配合錠
日本たばこ産業株式会社(JT)は6月17日、3月に日本国内において製造販売承認申請を行った抗HIV薬「ゲンボイヤ(R)配合錠」(一般名:エルビテグラビル150mg/コビシスタット150mg/エムトリシタビン200mg/テノホビルアラフェナミド10mg配合錠)の製造販売承認を取得したと発表した。
同剤は、鳥居薬品株式会社が2013年から国内で販売している抗HIV薬「スタリビルド(R)配合錠」に含まれる4つの有効成分のうち、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)を、テノホビルアラフェナミド(TAF)に置き換えた配合錠。1日1回1錠の服薬で治療を行う抗HIV薬で、米国および欧州では、ギリアド社が2015年11月に承認を取得し、「Genvoya(R)」の製品名で販売している。
Genvoyaは米国保健福祉省(DHHS)の「成人および青少年HIV-1感染者における抗レトロウイルス薬の使用に関するガイドライン」において、腎機能に関連する臨床検査値であるクレアチニンクリアランスが30mL/min以上で抗HIV薬による治療経験がない患者に対して使用が推奨されている。
10分の1以下の投与量で同程度の抗ウイルス効果を発揮
TAFは、ギリアド社が創製したHIVの逆転写酵素阻害作用を示すテノホビルの新規プロドラッグ。テノホビルのプロドラッグとしては、これまでにもTDFがあるが、ギリアド社が行った他の抗HIV薬との併用臨床試験において、TAFは10分の1以下の投与量でTDFと同程度の抗ウイルス効果を示したという。また、TDFの安全性上の懸念である腎臓や骨への影響が軽減されることが示されているとしている。
なお、薬価収載後は、3月に締結した日本国内における販売権に関する契約に基づき、鳥居薬品が販売を行う。発売時期は、決定次第発表する予定。
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・日本たばこ産業株式会社 プレスリリース