松井知事は「ライフサイエンス分野を大阪、関西の大きな産業の柱として育てていき、イノベーションを起こせることができるよう、システム活用の支援体制も整えていきたい」とあいさつ。さらに「この分野も東京1極ではなく、2極が必要だと考えている。近い将来、フルスペックでやれるように目指していきたい」とした。
同日は松井知事のほか、岸本忠三(大阪バイオ戦略推進会議議長)、土屋裕弘(大阪医薬品協会会長、関西経済連合会産業振興委員会健康・医療担当委員長)、手代木功(大阪商工会議所副会頭)、黒川昭(大阪医薬品協会理事)、澤芳樹(大阪大学大学院医学系研究科・医学部長)の各氏らが出席。
企業を代表して土屋氏が「関西発の創薬や健康医療関連製品のさらなる実用化につながるよう有効利用を進めていきたい」とコメント。また、澤氏は「アカデミアとして、ライフサイエンスにおけるイノベーションが大きく進む可能性を秘めており、大変期待している」と述べた。
今回の同システムの導入では、利用者は通常の相談手数料とは別に、機能拡充のランニングコスト分を一律28万円の関西支部手数料として負担する仕組みとなっている。大阪府ではその負担を軽減し、利用促進を図るため2016年度に「PMDA関西支部支援体制確立事業」(2660万円)として予算化。PMDAの低額要件に該当する大学、研究機関、ベンチャー企業が関西支部で薬事戦略相談の対面助言を受ける場合は手数料は全額免除となる。それ以外の利用者負担は半額の14万円となる。同事業は府内の企業だけでなく関西支部利用者全てが対象となる。
開通式終了後、松井知事は手数料28万円の負担に関し、「どう考えても、東京が無料で、大阪が有料というのは、1極集中を肯定する話」とし、今後、是正に向けて「政府と交渉したい」とした。