アンジェスMG 、契約一時金と商業化時のロイヤリティを対価に
アンジェスMG株式会社は6月16日、森下仁丹株式会社との間で、アンジェスMGが保有する子宮頸部前がん治療ワクチン(CIN治療ワクチン)の独占的開発・製造・販売権を森下仁丹に許諾することで基本合意に達したと発表した。
この基本合意は、アンジェスMGが許諾を受けているCIN治療ワクチンの権利の全てを森下仁丹に独占的に再許諾する一方、対価としてアンジェスMGは森下仁丹から契約一時金および商業化時のロイヤリティを受け取るというもの。今後、これに基づき、早期の正式契約の締結に向けて協議を続けるとしている。
CIN治療ワクチンは、子宮頸がんの原因ウイルスであるヒトパピローマウイルス(HPV)のたんぱく質に対する特異的な細胞性免疫を子宮頸部粘膜へ効率的に誘導する作用がある。これにより、経口投与で子宮頸部の前がん病変を退縮、消失させ、子宮頸がんへの移行を回避できる世界初の治療ワクチンとして期待されている。
遺伝子治療、遺伝子医薬の開発に経営資源集中
アンジェスMGは、韓国のBioLeaders Corporationから日本、米国、中国、英国における同治療ワクチンの独占的開発・製造・販売権の許諾を受けている。東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座の川名敬准教授(東京大学医学部附属病院女性外科副科長)と共同研究を行っており、現在、東京大学医学部附属病院において「HPV16型陽性の子宮頸部中等度上皮内腫瘍性病変(CIN2)に対する乳酸菌を利用したCIN治療薬の探索的臨床研究」(プラセボ対照二重盲検比較試験)として、医師主導臨床研究が実施されている。
今回の権利許諾により、アンジェスMGの主力事業である遺伝子治療と核酸医薬を中心とする遺伝子医薬の開発に経営資源をより集中させると同時に、将来、CIN治療ワクチンの商業化が成功した際にはロイヤリティを受け取ることで、同社が保有する権利の価値を最大化できる、と同社は述べている。
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・アンジェスMG株式会社 プレスリリース