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脳動脈瘤用塞栓デバイス開発の米医療機器メーカー「Sequent Medical」を買収-テルモ

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2016年06月17日 AM06:00

脳動脈瘤塞栓術治療の新形状塞栓デバイス「WEB」

テルモ株式会社は6月14日、米国のSequent Medical, Inc. (シークエント社)の全株式を取得する契約を締結したと発表した。


画像はリリースより

シークエント社は、脳動脈瘤治療の新たな選択肢として期待される新形状塞栓デバイスを開発し、世界で初めて製品化を実現。2010年には、欧州での販売に必要なCEマーク認証を取得し、既にドイツ、イギリスなどで販売を開始しており、米国での販売開始に向けた治験を他社に先駆けて実施している。

シークエント社が開発している新形状塞栓デバイス「WEB」は、脳動脈瘤の塞栓術治療に使用されるもの。シークエント社独自の技術により、形状記憶合金が細かく編み込まれており、専用のカテーテルを通して脳動脈瘤に留置されることで、瘤内への血液の流入を抑える。既に販売されている欧州を中心とする地域では、WEBの形状と取扱いの簡便さから、破裂した脳動脈瘤の緊急手術や、既存の塞栓術では治療が難しいとされる血管分岐部に瘤がある「分岐部病変」、瘤の入口部が広い「ワイドネック型」などの症例においても使用されており、脳動脈瘤治療の新たな選択肢として期待されている。

毎年拡大を続ける脳血管内治療市場

今回の買収金額は一時金が280百万米ドル、一定の条件達成に応じて支払うマイルストンが最大で100百万米ドルになる見込み。規制当局の承認を前提に、株式取得手続きは2016年7月から8月を目途に完了予定で、買収に伴うテルモの業績、財務状態に与える影響については現在精査中としている。

脳血管内治療市場は毎年拡大しており、2018年には約3000億円規模になると見込まれている。中でも、脳動脈瘤治療に使用される新形状塞栓デバイスは、大きな市場拡大が期待されている。テルモは、脳血管内治療を重要な成長領域と捉え、2006年の米国のMicroVention, Inc.(マイクロベンション社)買収により市場に参入。以降、脳動脈瘤治療に使用する塞栓コイルと、関連するカテーテルやステントを中心に製品ラインアップを揃え、グローバルで事業を拡大している。

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