医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > テクノロジー > 仏パスツール研究所らと創薬支援システムの開発で共同研究—コニカミノルタ

仏パスツール研究所らと創薬支援システムの開発で共同研究—コニカミノルタ

読了時間:約 1分17秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年06月09日 AM06:00

1粒子蛍光イメージングにより、薬効の正確な評価の支援に期待

コニカミノルタ株式会社は6月6日、仏パスツール研究所およびバイオアキシャル社とともに、創薬に生かすバイオイメージング技術について、共同研究を開始したことを発表した。


画像はリリースより

新薬開発では、候補薬剤の臨床試験における薬効発揮の成功率が低いことが課題となっている。その解決策として、革新的なイメージング技術や細胞イメージング・生体イメージングの研究開発に利用されている蛍光検出技術のである有機蛍光色素を用いた検出技術がある。しかし、従来の有機蛍光色素を用いた標識材技術は、感度や定量性が低い、褪色するなど課題があった。

コニカミノルタは、写真フィルムで培った銀塩粒子開発技術を応用し、これらの課題を解決できる、従来の蛍光色素の約3万倍の輝度と、高い光耐久性を持つ蛍光ナノ粒子の開発に成功。さらに、この蛍光ナノ粒子と抗体を結合するなど生体物質への親和性をもたせる「ナノ粒子表面修飾法」と「蛍光輝点解析ソフト」を開発。細胞やがん組織切片のタンパク質を1粒子ずつカウントする「1粒子蛍光イメージング」に基づいて定量することにも成功している。

in vivo用蛍光ナノ粒子及び観察システムの開発を目指す

今回の共同研究では、in vivo用蛍光ナノ粒子及び観察システムの開発を目指すという。このシステムによって、マウス体内での薬剤の動きや分布を直接観察し、臓器や細胞に到達した薬剤が細胞の働きに与える影響を観察できる、ライブセルイメージングが可能になることが期待される。これにより、薬剤の効果や作用機序の観察を実現。薬効の正確な評価の支援が期待される。

コニカミノルタは自社の開発する蛍光ナノ粒子およびその画像の解析技術を活用し、パスツール研究所のもつ創薬ニーズに必要なイメージング技術、バイオアキシャル社のナノメーターレベルでの画像を提供できる超解像画像観察装置と技術的連携および協力することにより、新しいインビボイメージング技術を開発、提供していく予定としている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 テクノロジー

  • モバイル筋肉専用超音波測定装置を開発、CTのように広範囲描出可能-長寿研ほか
  • ヒトがアンドロイドの「心」を読み取り、動きにつられることを発見-理研
  • 生活習慣病の遺伝的リスクと予防効果の関係、PRS×AIで評価-京大ほか
  • 精神的フレイル予防・回復支援「脳トレシステム」開発-愛知産業大ほか
  • ChatGPTと放射線科医、骨軟部放射線領域の診断精度を比較-大阪公立大ほか