1粒子蛍光イメージングにより、薬効の正確な評価の支援に期待
コニカミノルタ株式会社は6月6日、仏パスツール研究所およびバイオアキシャル社とともに、創薬に生かすバイオイメージング技術について、共同研究を開始したことを発表した。
画像はリリースより
新薬開発では、候補薬剤の臨床試験における薬効発揮の成功率が低いことが課題となっている。その解決策として、革新的なイメージング技術や細胞イメージング・生体イメージングの研究開発に利用されている蛍光検出技術のである有機蛍光色素を用いた検出技術がある。しかし、従来の有機蛍光色素を用いた標識材技術は、感度や定量性が低い、褪色するなど課題があった。
コニカミノルタは、写真フィルムで培った銀塩粒子開発技術を応用し、これらの課題を解決できる、従来の蛍光色素の約3万倍の輝度と、高い光耐久性を持つ蛍光ナノ粒子の開発に成功。さらに、この蛍光ナノ粒子と抗体を結合するなど生体物質への親和性をもたせる「ナノ粒子表面修飾法」と「蛍光輝点解析ソフト」を開発。細胞やがん組織切片のタンパク質を1粒子ずつカウントする「1粒子蛍光イメージング」に基づいて定量することにも成功している。
in vivo用蛍光ナノ粒子及び観察システムの開発を目指す
今回の共同研究では、in vivo用蛍光ナノ粒子及び観察システムの開発を目指すという。このシステムによって、マウス体内での薬剤の動きや分布を直接観察し、臓器や細胞に到達した薬剤が細胞の働きに与える影響を観察できる、ライブセルイメージングが可能になることが期待される。これにより、薬剤の効果や作用機序の観察を実現。薬効の正確な評価の支援が期待される。
コニカミノルタは自社の開発する蛍光ナノ粒子およびその画像の解析技術を活用し、パスツール研究所のもつ創薬ニーズに必要なイメージング技術、バイオアキシャル社のナノメーターレベルでの画像を提供できる超解像画像観察装置と技術的連携および協力することにより、新しいインビボイメージング技術を開発、提供していく予定としている。
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